QUORAに見る歴史認識の一意見 東条英機と昭和天皇の関係に関する一意見
公開日:
:
最終更新日:2020/12/01
歴史認識
東条英機氏は几帳面で小心、そして子煩悩なな男だった伝えられている。石原莞爾氏などは、東条氏の小物ぶりを徹底的に馬鹿にしたそうで、東条氏自身が日米開戦を決意したなどと言うことはありえない。彼はメッセンジャーとして最後の留め男、昭和天皇に開戦反対の表明をしてもらおうと画策したが、なんと天皇の取り巻きが、責任が天皇の一身に集まることを避け、取りつかずにあいまいな返答でごまかしてしまった。
戦前の日本軍部や軍人を悪く言う人が多いが、彼らは日本でも最高の頭脳集団であるため、孫子やクラウゼビッツの戦争論などは熟読しており、世界の戦史やアメリカの国情なども熟知している。しかし、1929年から続く不況のため国民の不満は頂点に達しており、好戦的な発言をせざるを得ない。これが終戦後仇になっているのだが、戦争というものは、勝ちが確実な場合と、防衛戦争でもなければ、積極的にやるものではない。しかるに、「臆病者」「卑怯者」「無駄飯食い」「あんな軍艦なんてお飾りかよ」などと言われれば、「(せんそうを)やりましょう」としか言いようがない。
日米の開戦は、国民の多くに責任があることを、心すべきでしょう。
関連記事
-
-
QUORAに見る歴史認識 香港国家安全法について、多くの中国本土の人々はどのように考えているのでしょうか?
私は初めて香港に行ったとき、深セン税関の前で大声で怒鳴っている香港人たちがいて、聞き取れたのは"香
-
-
歴史認識と書評『ユダヤ人大虐殺の証人』河出書房新社
ユダヤ人虐殺の証人として映画『ショアー』にも出演したポーランド人カルスキの苦悩を描く衝撃の作品。
-
-
任文桓『日本帝国と大韓民国に仕えた官僚の回想』を読んで
まず、親日派排斥の韓国のイメージが日本で蔓延しているが、本書を読む限り、建前としての親日派排除はなく
-
-
消費と観光のナショナリズム 『紀元二千六百年』ケネスルオフ著
今観光ブームでアトキンス氏がもてはやされている。しかし、観光学者なら「紀元二千六百年」を評価すべ
-
-
角川文庫『ペリー提督日本遠征記』(Narrative of the Expedition of an American Squadron to the China Seas and Japan)
https://youtu.be/Orb9x7NCz_k https:
-
-
Quoraにみる歴史認識 高2です。東京書籍の教科書には、朝鮮総督府が言論などの自由を奪い、武断政治をした。所有者の明確でない土地を没収し多くの農民が困窮したとあります。これを戦前の日本に肯定的な人はどう捉えるのでしょうか。?
私は別に「戦前の日本に肯定的な人」ではないのですが、東京書籍の教科書がそれしか書いていないのだと
-
-
QUORA 李鴻章(リー・ホンチャン=President Lee)。
学校では教えてくれない大事なことや歴史的な事実は何ですか? 李鴻章(リー・ホンチャン=Pre
-
-
明治維新の評価 『経済改革としての明治維新』武田知弘著
明治時代の日本は世界史的に見て非常に稀有な存在である。19世紀後半、日本だけが欧米列強に対抗し
-
-
書評『大韓民国の物語』李榮薫
韓国の歴史において民族という集団意識が生じるのは二十世紀に入った日本支配下の植民地代のことです。
-
-
三谷太一郎『日本の近代とは何であったか』なぜ日本に資本主義が形成されたか
ちしまのおくも、おきなわも、やしまのそとのまもりなり