*

Quoraにみる歴史認識 日露戦争で日本は英米に膨大な借金をしてますがどうやって返済したのでしょうか?

公開日: : 最終更新日:2020/12/01 歴史認識

ご質問文に「英米」とありますが、高橋是清の求めに応じて日本の戦時国債を購入して支えたジェイコブ・ヘンリー・シフはドイツ生まれのユダヤ人[1]ですね。米国では日本の公債を引き受ける(購入する)者がなかったようなので「英米」とするのは、やや誤解を招きやすい表現かもしれません。

シフは経済力を背景にした国際人で、米国ニューヨークでは高橋是清の長女を留学中に預かったりもしていますが、シフらユダヤ資本が日本への戦費融資を決断した直接の理由は、米国や英国の政策とは直接に連関せず、ロシア帝国におけるユダヤ人迫害(ポグロム、反ユダヤ主義)を打倒するチャンスを極東日本に見出したから、です。

というのも、この時期には英国でも米国でも反ユダヤ主義の嵐は極めて激しく、特にシフを含めたドイツ系ユダヤ資本が英米の経済圏の中で急速に勢力を蓄えていく傾向に対する強い牽制が、政治の場でも新聞などの報道の場でも激しく繰り広げられました。

戦間期ドイツにおいてワイマール体制に代わってナチが政権を得た際に英米を含めたヨーロッパの反応が緩慢であったのも、このような諸国内の経済や社会における反ユダヤ傾向が極めて優勢だったから、とされます。


序盤で横道に逸れてしまいましたが返済先は「英米」ではなく「ユダヤ資本」であったことを確認しつつ、その返済の動向を見ると1986年までかかった、と概説されます。つまりWW2を挟んで国号が「日本国」に改ま

脚注[1] ジェイコブ・シフ – Wikipedia… (もっと読む)454Takashi Junさんから4件のコメントMurakami Shinichiro回答日時: 金

ここに詳しかったはず。。残念ながら積読なのですが。。(Kindleなので、積んでもない)

たぶん、第一次大戦の爆上げ景気で一挙に返済とかじゃあ、ないのかな(震え声)

日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち―(新潮選書) | 板谷 敏彦 | 軍事 | Kindleストア | Amazon

閲覧数: 107回

昭和のバブルの前位に完済したと覚えています。どうやって? 方法は国際送金です。先人が外貨を稼いで支払ったのです。

関連記事

🗾🎒三重県一身田 父親の納骨と道中の読書  『マヤ文明』『英国人記者からみた連合国先勝史観の虚妄』 2016年10月19日、20日

父親の遺骨を浄土真宗高田派の総本山専修寺(せんじゅじ)に納骨をするため、山代の妹のところに行き、一晩

記事を読む

🌍🎒2023年8月29~30日 シニアバックパッカーの旅 エルビル(国連加盟国167か国目イラク・クルド自治地域)

facebook投稿文 2023.8.29 アシガバートからイラクはエルビルへ。

記事を読む

『本土の人間は知らないことが、沖縄の人はみんな知っていること』書籍情報社 矢部宏治

p.236 細川護熙首相がアメリカ政府高官から北朝鮮の情勢が緊迫していること等を知らされ、米国は

記事を読む

コロニアル・ツーリズム序説 永淵康之著『バリ島』 ブランドン・パーマー著『日本統治下朝鮮の戦時動員』

「植民地観光」というタイトルでは、歴史認識で揺れる東アジアでは冷静な論述ができないので、とりあえずコ

記事を読む

no image

QUORAにみる歴史認識  伊藤博文を殺したのは安重根ではないという説を見ました。もし安重根以外が殺したとしたら誰が何の為に殺したのですか?回

伊藤博文を殺したのは安重根ではないという説を見ました。もし安重根以外が殺したとしたら誰が何の為に殺

記事を読む

no image

朝鮮戦争の経済効果

もし、朝鮮戦争がなかったら日本は戦後の経済復興は遅れていたと思いますか? 確かに3年間ぐらい

記事を読む

『総選挙はこのようにして始まった』稲田雅洋著 天皇制の下での議会は一部の金持ちや地主が議員になっていたという通説が実証的に覆されている。いわば「勝手連」のような庶民が、志ある有能な人物(国税15円を納める資力のない者)をどのような工夫で議員に押し立てたかを資料に基づいて丹念にドキュメンタリー風に解説

学校で教えられた事と大分違っていた。1890(明治23)年の第一回総選挙で当選して衆議院議員にな

記事を読む

『貧困と自己責任の中世日本史』木下光夫著 なぜ、かほどまでに生活困窮者の公的救済に冷たい社会となり、異常なまでに「自己責任」を追及する社会となってしまったのか。それを、近世日本の村社会を基点として、歴史的に考察

江戸時代の農村は本当に貧しかったのか 奈良田原村に残る片岡家文書、その中に近世農村

記事を読む

渡辺惣樹著『第二次世界大戦 アメリカの敗北』

対独戦争をあくまで回避するべきと主張したチェンバレンら英国保守層 対独戦争は膨大な国力を消費し、アメ

記事を読む

『からのゆりかご』マーガレット・ハンフリーズ 第2次世界大戦後英国の福祉施設から豪州に集団移住させられた子供たちの存在を記述。英国、豪州のもっと恥ずべき秘密

第2次世界大戦後英国の福祉施設から豪州に集団移住させられた子供たちの存在を記述。英国、豪州のもっ

記事を読む

PAGE TOP ↑