*

QUORAに見る歴史認識 「日本は韓国に今までこんなことをしてあげた~」的な話をよく聞きますが、そもそもそこまで親身に韓国の発展を支援したのにはどのような魂胆があったんでしょうか?

公開日: : 最終更新日:2020/12/01 歴史認識

普段は専門外の事には答えないようにしているのですが、あまりに回答者の回答内容が目に余るので回答します。韓国の発展を支援した根拠の一つに、密航防止という側面があります。

パチンコと在日コリアンの関係性

(以下、記事引用)

1883年の時点ではたったの6人だった在日コリアンは、1900年代に入ると数百人規模となり、1910年の日韓併合を機にその数を急激に増やす事となります。1920年で3万人、1930年には30万人を超えました。彼等が何しに日本に来たかと言えば、もちろんより良い暮らしを求めて来たわけです。普通は誰でも見ず知らずの土地に行きたいとは思いません。言葉の問題、母国での人間関係を捨てられるか、移住して本当に幸せになれるのか。こういったハードルはなかなか高いものです。しかし、日本は当時の朝鮮半島とは比べ物にならないくらい豊かな国。勇気を出して日本に行った人の成功話が広まるにつれ、日本を目指す朝鮮人は着実に増えていきました。また、日本側としても、資本主義がバンバン発達しており、安価な労働力の需要は高まる一方。安価な労働力という意味で、こういった朝鮮人労働者はピッタリでした。

しかし、在日コリアンが増えた事により、治安が悪化するという弊害も起こります。渡航してくるコリアンがマジメに働く人ばかりなわけがないですね。むしろ、母国で食い詰めた人が多いわけで、必然的にその犯罪率も高いものになります。その為、はじめは安価な労働力として朝鮮からの移民を受け入れていた政府も、頭を抱えるようになります。しかし、単純な渡航禁止はあまり有効ではありません。密航してくるので。なので、日本政府は「朝鮮本土を開発して、朝鮮に留まりたいと思わせる」という心暖まる作戦を取りました。そうして、日本統治下において朝鮮半島のインフラは大いに発展したわけです。

日韓併合前の南大門通り

日韓併合後の南大門通り

実際には、密航者の数はあんまり減らなかったので、この作戦の効果はイマイチといったところでしょう。ただ、終戦後に、200万人のうち140万人もの在日コリアンが朝鮮に帰国しました。これは、焼け野原になった日本より、戦禍を免れた朝鮮の方がだいぶマシだったからです。(記事引用終わり)もちろんこれは結果として韓国が発展した意見の一つであり、他にも内需中心だった当時の日本経済にとって、「作れば何でも売れる」韓国はフロンティアだった面や、国防上の一面もあります。ただ、これらの発展は国防上の理由だけで説明できるものではないし、ましてや、「日本人は優しいから、欧米の植民地政策を否定し、共に戦える仲間を作りたかった」とか言われるとね…最低限調べてから回答してくれることを何より望みます。

関連記事

no image

『新・韓国現代史』 文京洙著 岩波書店 を読んで、日韓観光を考える。

東アジアの伝統的秩序は、中国中心の華夷理念のもとに、東アジアの近隣諸国が朝貢・冊封の関係において秩序

記事を読む

『尖閣諸島の核心』矢吹晋 鳩山由紀夫、野中務氏、田中角栄も尖閣問題棚上げ論を発言

屋島が源平の合戦の舞台にならなければ観光客は誰も関心を持たない。尖閣諸島も血を流してまで得るもの

記事を読む

no image

明治維新の評価 『経済改革としての明治維新』武田知弘著

明治時代の日本は世界史的に見て非常に稀有な存在である。19世紀後半、日本だけが欧米列強に対抗し

記事を読む

no image

学士会報926号特集 「混迷の中東・欧州をトルコから読み解く」「EUはどこに向かうのか」読後メモ

「混迷の中東」内藤正典 化学兵器の使用はアサド政権の犯行。フセインと違い一切証拠を残さないが、イス

記事を読む

no image

「中国は国際秩序の守護者になるのか?」『公研』2017年3月号No.643鈴木一人

偶然二編の論文を読み、日本のマスコミでは認識できない記述を見つけた。 嫌中ムードを煽り立てる記事が

記事を読む

no image

QUORAに見る歴史認識 香港国家安全法制は怖くない

この回答は次の質問に対するQuora英語版でのJohn Chiuさんの回答です (ご本人は翻訳の成

記事を読む

no image

QUORAに見る歴史認識の一意見 東条英機と昭和天皇の関係に関する一意見

東条英機氏は几帳面で小心、そして子煩悩なな男だった伝えられている。石原莞爾氏などは、東条氏の小物

記事を読む

no image

Quoraに見る歴史認識 日本は日清戦争、日露戦争では勝利することができたのに、先の大戦 (第二次世界大戦) ではなぜ敗北に至ったのでしょうか。 日清日露と第二次世界大戦を比較対照して答えていただけたら幸いです。?

日本は日清戦争、日露戦争では勝利することができたのに、先の大戦 (第二次世界大戦) ではなぜ敗北

記事を読む

no image

歴史は後からの例「殖産興業」

武田晴人『日本経済史』p.68に紹介されている小岩信竹「政策用語としての「殖産興業」について」『社

記事を読む

『幻影の明治』渡辺京二著 日本の兵士が戦場に屍をさらしたのは、国民の自覚よりも(農村)共同体への忠誠、村社会との認識で追い打ちをかけている。惣村意識である。水争いでの隣村との合戦 

「第二章 旅順の城は落ちずとも-『坂の上の雲』と日露戦争」 著者は「司馬史観」に手

記事を読む

no image
リビアの旅行会社

リビアのトリポリにある外国人向けの信頼できる旅

no image
バンクーバー予備知識

  フェンタミル カナダへやってきました。バンクーバー。

no image
AIにきく イルクーツク、ヤクーツク、ウラジオストックの旅

東京から、イルクーツク、ヤクーツク、ウラン・ウデ、

no image
新疆ウィグル自治区をネタにするYoutuber old medea もYoutubeも変わらない

旅系YoutubeRも右翼嫌中派YoutubeRも、ウィグルをネタに再

サハリン旅行

    稚内港とコルサコフ港を直接結ぶ

→もっと見る

PAGE TOP ↑