『ビルマ商人の日本訪問記』1936年ウ・ラフ著土橋康子訳 大阪は「東洋のベニス」
公開日:
:
最終更新日:2023/05/29
旅館、ホテル、宿泊、民泊、不動産賃貸、ルームシェア、引受義務, 躾、接遇
1936年の日本を見たビルマ人の記述である
1936年当時の大阪市は人口三百万、町全体に大小の河川が入り込んで流れており、安い運賃で動かせるようになっている。大阪は「東洋のベニス」と呼ばれていて橋の数はもう数えきれない程である。
日本人は黒やくすんだ灰色の服が多いが、列車に乗るとトンネルをしばしば通ることになり、全身すすまみれになるから、だと気が付いた。日本の三等車は扇風機もあり、トイレも清潔。洋式ホテルに泊まるか日本式旅館に泊まるか、考えつたが外の履物を一度脱ぎ、室内用の履物も部屋に入るときにまた脱ぐのが面倒で、洋式ホテルにした。こっちの僧侶は黒い服を着黒い帽子をかぶっている ビルマなら墓の土地で作った農作物など、恐ろしくてとても食べたりのんだりできない。日本人は純朴なのか有例とも仲良くやって行けるらしい。
震災記念館にいった。日本人の知恵というモノは、こうして震災という歴史的大事件の詳細を人に伝えることもでき、しかも入館料でいお金もうけもする、大したものだ。(建物は1994年まで存在、1980年ころは結婚式場として使われていた、今は中央図書館になっている)
店を出るまで「アリガトー」攻撃だった。見習うべき日本人の美点は、清潔、勤勉、家制度 未成年者の禁煙、賭博の禁止等である。子供が鼻水を垂らしていない(この記述は、イサベラバードの時代から見ると変化していることがわかる)日本の女性は昼夜を問わず男性同様に外出する勇気がある。
p170 日本の政府は自国民によいと考えあれる事業については、民間の資力が不足しているとあれば、政府が出資するなり、低利の融資を行うし、時としては無利子の貸し付けも行う。それ故日本は今日ここまで発展してきた
上海事変の傷跡を描写。中国商人の売り方について、上海ではその他の繁華街も見て回った。ガラスに水銀を塗り付けているところ等等を外から見学した。中国人たちは自らの事業を隠れてやらず、すべて人の見ているところで行うという面がある。日本ではこんな風に見るわけにはいかない。家の中とか・・・外からたやすく覗くことはできない。
上海娘は、一般に若い男性と連れ立って映画を見に来ている・・日本人の習慣とは正反対である。とすると日本人と中国人の水準にこれほどの違いが差があることを、中国人のために気の毒がってやることもないなどと思い直したことだ。
関連記事
-
東日本震災時に問題視された略奪の限りを尽くしていた火事場泥棒
https://matome.naver.jp/odai/2150962666730148001
-
動画で考える人流観光学 従と宿の相対化
https://youtu.be/-_Z9TeVxNtc https://youtu.be/X
-
世界人流観光施策風土記 チベット旅行の検討から見えてきたこと
物流行政をしていたころ、港湾運送事業者が、貿易手続きが複雑なことが自分たちの仕事が存在する理由だとし
-
書評『ベルツの日記』
ベルツが来日早々に経験した江戸の華、火事に関する記事。シュリューマンと同じ目であ
-
旅行業法の不思議① 旅行業と運送業、宿泊業、不動産賃貸業の境界
総合旅行業務取扱管理者試験という資格試験がある。その中に、旅行業法の登録を必要とするものはどれかとい
-
名回答です。「故中国人の方はマナーが悪いで有名なのでしょうか?Kato Eiji, 空家再生、民泊経営 (2018〜現在)回答日: 日曜」
何故中国人の方はマナーが悪いで有名なのでしょうか?Kato Eiji, 空家再生、民泊経営 (20
-
旅籠とコンテナは元来同義 自動運転時代を予感 『旅館業の変遷史論考』木村吾郎
世界各国、どこでも自動車が走行している。その自動車の物理的規格も公的空間では世界共通であり、道路の規
-
広田照幸著『日本人のしつけは衰退したか』を読んで
日本人の車内でのマナーが良いとか、駅のトイレがきれいだと自画自賛する傾向が強い。しかし、国鉄末期の駅
-
意識あるロボットの出現とホスピタリティー論の終焉
かねがね、観光学研究で字句「ホスピタリティー」が使用されていることに大きな疑問を感じていた。意識
-
観光とタクシー論議 (執筆時 高崎経済大学地域政策学部教授)
最も濃密なCRM(Customer Relationship Management)が可能なはずのタ