『ダークツーリズム拡張』井出明著 備忘録
p.52 70年前の戦争を日本側に立って解釈してくれる存在は国際社会では驚くほど少ない・・・日本に対してはファシズムの一翼を担い、最後まで自由主義社会に対して反抗した国として認知されている
p.90 パリのテロ事件に対してシリアやイラクで毎日多くの犠牲者が出ているのにパリの事件だけを特別視して追悼のアイコンを使用するのはおかしいと批判がFACEBOOKで一時あふれた。これに対して筆者はパリは特別の存在意義がある。そこでのテロは近代西洋システムの思考に慣れ親しんだインテリのアイデンティティへの挑戦であり、問題の本質を見誤っていると批判。テロは肯定しないが、この辺りが筆者の限界かもしれない。国際法上の戦闘行為でない限り、同じである。
p.95~97 カーン平和記念館の前に「勝利のキス」の彫像 対日戦争の終焉を記念 南京虐殺を断罪する展示もある ビシー政権への複雑な感情 無欠開城がパリを救った(バギオを思い出す) ナチスのユダヤ人虐殺と同じことを日本もマレー半島で行っていたという展示
p.138 ロス郊外の「寛容の博物館」では日本の在特会(在日特権を許さない市民の会)を紹介 KKKとともにNet Far Right (ネット右翼)という言葉で展示
p.195 乃木希典の長男の慰霊碑が旅順にはあるが誰も花を手向けた様子が見られない
p.219 負の世界遺産という言葉は英語にない heritageに内包されている 怨親平等の思考形態で過去を水に流してきた
関連記事
-
-
Ctripの空予約騒動について 大山鳴動に近い騒ぎ方への反省
「宿泊サイト、予約しない部屋を販売」といった表題でテレビが取り上げ、関係業界内ではやや炎上気味であ
-
-
田口亜紀氏の「旅行者かツーリストか?十九世紀前半フランスにおける“touriste”の変遷」(Traveler or “Touriste”? : Distinctions in Meaning in Nineteenth Century France)共立女子大学文芸学部紀要2014年1月を読んで
2015年4月15日のブログに「羽生敦子立教大学兼任講師の博士論文概要「19世紀フランスロマン主義作
-
-
『連合軍の専用列車の時代』河原匡喜著
松本清張、連合軍専用列車が下山総裁の他殺死体を運んで投げ捨てたという疑惑を推理「下山国鉄総裁忙殺論
-
-
東アジア観光(文化)を論じる際の共通基盤(漢字、儒教、道教、仏教、律令、科挙等)
○ 東アジア圏の観光を論じる背景(漢字、儒教、道教、仏教、律令、科挙等) 観光研究のテーマとして
-
-
『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』川添愛著
ディプラーニングを理解しようと読んでみた。 イタチとロボットの会話は全部飛ばして、解説部分だけ読め
-
-
Nikita Stepanov からの質問
Nikita Stepanov (Saint-Petersburg State Polytechn
-
-
「観光をめぐる地殻変動」-観光立国政策と観光学ー石森秀三 を読んで
学士會会報2016年ⅳに石森秀三氏の表題記事が出ていた。論調はいつものとおりであり驚かなかったが、感
-
-
保護中: 高論文「観光の政治学」戦前・戦後における日本人の「満州」観光を読んで(メモ)
高論文「観光の政治学」戦前・戦後における日本人の「満州」観光 (満州引揚者)極楽⇒奈落 ホス
-
-
『骨が語る日本人の歴史』を読んだAMAZON感想文のメモ
「歴史は後からつくられるから、観光資源なぞいつでも作ることができる」と常日頃主張させていただいている
-
-
学士会報第20回関西茶話会「新興感染症の脅威と現代世界」光山正雄
感染症は今も世界の人々の死因第一位 歴史上の重大感染症 ①ペスト 14世紀 欧州で大流行 当時の