*

『支那四億のお客様』カール・クロ―著 

公開日: : 最終更新日:2023/05/29 人口、地域、, 出版・講義資料

毎朝散歩コースになっている一か所に商業会館ビルというのがある。この本を出版したのが倉本長治氏のようであり、私の記憶のどこかに商業界という言葉が残っていたので今朝確認したら、やはりそうであった。

「カールクロウ」の画像検索結果

クロウ,カール 1884~1945年。米国ミズーリ州生まれ、ミズーリ大学でジャーナリズムを学んだ。辛亥革命の1911年に上海にわたった。上海で結婚し、新婚旅行を兼ねてフィリピンへ行ったり、日本にしばらく滞在して『日本と米国』(1916年)を著したりした後、いったん帰国してカリフォルニア州に落ち着いたが、1917年の米国の大戦参戦で戦時広報の仕事をすることになり再び上海に戻った。終戦後はそのまま上海に留まって広告代理店を開業、1937年に日本軍の砲艦の砲撃でオフィスの窓を壊されるまで、欧米商品の宣伝、売り込みに活躍した

p.49 日本人妻のようにおとなしく虐待に耐えたりもしない。志那の女は献身的に夫の世話をし、子供も沢山産むが、・・・妻は夫を助けて生活の糧を得るようなことはしない

p.52 上海の絹織物店 店の外見からは中身の豪華さは想像できない

p.62 1932年日本軍の上海事変のとき、・・・日本兵は動くものを見つけるたびにライフル銃や機関銃を打ちまくった。砲兵隊はかなりの腕前を発揮し、志那人の家に弾を打ち込みながら、日本の利益が少しでも絡んでいる建物には損害を与えないようにしていた。罪もない民間志那人が多数死亡したほか、猫の殺害も醜かった。虹口地区担当の苦力・・・日本兵の射撃練習がしばらくやんで安全になったと思われるや否や、箒とかごをもって 道に飛び出して行って ・・・近代兵器の断片をかき集めるのである

p.121 上海近郊30マイルの揚子江ほとりで、地方軍閥の首領2人が対峙 おびえて避難してくる住民たちとすれ違いながら、見物に行く。数分前に殺された少女の遺体がみえた。

p.123 外国製品ボイコットの波   この点では日本製品が執拗に狙われる。日本の軍国主義者はほとんどなにをするにしても、志那人の憎悪を掻き立てる新しい理由を創り出す

p.124 共産党の兵隊が来た時だけは別。彼らの破壊は完ぺきで、私のトタン板を全部持って行ってしまった。そのトタン板は共産軍でバケツになって何年も使われたの違いない。

p.156 鉛筆や紙など使わずにうまく暮らしていくには、ずっとたくさんの頭を使わなければならない 私の知っている文盲の志那人 大学教授もかなわないような知的離れ業をやってのける 貧しい家庭で育ったので、学校へやってもらえなかったので、別のやり方で身を絶えざるを得なかった。彼のような志那人は何百万人もいる。

志那語を知らない外国人は、全く言葉の世話にならなくてもさしたる不自由なく暮らしてゆける。…志那人は無数の方言を話し、何世代にもわたって言葉の通じない同胞と付き合いことに慣れている

文盲だからといって文学の楽しみ方を知らないわけではない。プロの講釈師がどこにでもいて  吟遊詩人  そこで語られているものは芸術作品である

p.241 品の製造業者は  不器用にまねるが、日本人の特技である贋作つくりはめったにやらない

p.264 日本の成功はもっぱら価格によるもの 安い労働力を恥も外聞もなく搾取することによって、低い生産コストを実現しただけのこと

p.269 かつては最高のモノづくり国家 品で売れるものはアヘンだけ

p.274 そして何よりも洗濯機を買っている。制約があるとすれば購買力だけである

P279 世界は一つ 歯ブラシはすべて豚の剛毛で作られ、世界に供給される剛毛の大部分は中国産である。そして高級品は四川でとれる 質が低下しているのは、内戦。

関連記事

no image

山泰幸『江戸の思想闘争』

社会の発見 社会現象は自然現象と未分離であるとする朱子学に対し、伊藤仁斎は自然現象

記事を読む

no image

倉山満著『お役所仕事の大東亜戦争』1941年12月8日『枢密院会議筆記』真珠湾攻撃後に、対米英宣戦布告の事後採決

海軍が真珠湾攻撃のことを東条に伝えたのは直前のこと 倉山満著『お役所仕事の大東亜戦争』p.2

記事を読む

戦略論体系⑩石原莞爾(facebook2021年5月23日投稿文)「極限まで行くと、戦争はなくなるが、闘争心はなくならないので、国家単位の対立がなくなるという。」

石原莞爾の『世界最終戦論』が含まれている『戦略論体系⑩石原莞爾』を港区図書館で借りて読んだ。同書の存

記事を読む

no image

【ゆっくり解説】【総集編】ガチで眠れなくなる「生物進化」の謎6選を解説/ミッシ ングリンク、収斂進化、系統樹、生命起源【作業用】【睡眠用】

https://youtu.be/ACEmkF1-g88

記事を読む

no image

伝統も歴史も後から作られる 『戦国と宗教』を読んで

 横浜市立大学の観光振興論の講義ノート「観光資源論」を作成するため、大学図書館で岩波新書の「戦国と宗

記事を読む

no image

保護中:  『市場と権力』佐々木実を読んで

日銀が量的緩和策で銀行に大量にカネを流し込んだものの、銀行から企業への融資はそれほど増えなかった。

記事を読む

no image

ここまで進化したのか 『ロボットの動き』動画

https://youtu.be/fn3KWM1kuAw

記事を読む

河口慧海著『チベット旅行記』の記述  「ダージリン賛美が紹介されている」

旅行先としてのチベットは、やはり学校で習った河口慧海の話が頭にあって行ってみたいとおもったのであるか

記事を読む

no image

現代では観光資源の戦艦大和は戦前は知られていなかった? 歴史は後から作られる例

『太平洋戦争の大誤解』p.183 日本人も戦前はほとんど知らなかった。戦後アメリカの報道統制

記事を読む

no image

『インバウンドの衝撃』牧野知弘を読んでの批判

題名にひかれて、麻布図書館で予約をして読んでみた。2015年10月発行であるから、爆買いが話題の時代

記事を読む

no image
🕌🎒2025シニアバックパッカー国連加盟国192か国達成の旅 計画作成

国連加盟国192か国を訪問するという計画も残り4か国となっている。その

no image
🌍🎒2024シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 福建省(24番目)厦門

中国渡航にビザが必要な段階で計画したので、金門島から廈門に渡る

🌍🎒シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 台湾省🏳‍🌈 金門島

  昨夜桃園空港から台北駅に鉄道で移

no image
🌍🎒シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 台湾省🏳‍🌈 台北

国連加盟国第一か国目は中国。1970年に香港、台湾と旅行した。当時は、

🌍🎒2024シニアバックパッカー南極太平洋諸国の旅 パラオ共和国(国連加盟国188か国目)

    2024年12月4日早朝マニラから

→もっと見る

PAGE TOP ↑