「南洋游記」大宅壮一
公開日:
:
最終更新日:2023/05/29
出版・講義資料
都立図書館に行き、南洋遊記を検索し、[南方政策を現地に視る 南洋游記」
日本外事協会/編 — 高山書院 — 1937 –を借り出す
大宅壮一の名前を見つけまずそこから読む。
南洋といっても、台湾、パラオ、フィリピンである。
どこかの出版社の視察に文化人として誘われて参加しており、あご足つきである。さしずめ今なら、テレビで撮影にタレント教授が参加しているようなもの、といっても一流の文化人であるから、今なら池上彰クラス、NHKスペシャルのろけに行くような感じか。
船で神戸から台湾に向かうとあり、一年前に飛行機で瀬戸内海を渡ったから、時間がかかって云々という記述があったが、自慢話であり、筆が滑ったのであろう。当時は大宅壮一クラスでも飛行機に乗ったことがうれしかったのだ。確か朝日新聞にジェット教授として九州と東京を講義のため通う話が出ていたことを思い出した。
台湾について、面白い記事。台湾大学は生徒一人に先生一人という記述。台湾大学には入学希望者が少なく、本土の他の大学に入れなかった学生が入学するので、定員に満たないと書いている。当事者には失礼な話であるが、私の父親世代は、このような「どこそこの学校は・・・」話を平気でしていた。一方、大学教師は、本土と異なり定年がなく、年に数回の渡航費用も出て、賃金も割増であるようなことを記述。昭和12年の世相がわかって面白い。今なら、台湾大学はエリート校である。
関連記事
-
-
Transatlantic Sins お爺さんは奴隷商人だった ナイジェリア人小説家の話
https://www.bbc.co.uk/programmes/w3cswg9n BBCの
-
-
『高度経済成長期の日本経済』武田晴人編 有斐閣 訪日外客数の急増の分析に参考
キーワード 繰延需要の発現(家計ストック水準の回復) 家電モデル(世帯数の増加)自動車(見せびら
-
-
ヨーロッパを見る視角 阿部謹也 岩波 1996 日本にキリスト教が普及しなかった理由の解説もある。
キリスト教の信仰では現世の富を以て暮らす死後の世界はあ
-
-
『尖閣諸島の核心』矢吹晋 鳩山由紀夫、野中務氏、田中角栄も尖閣問題棚上げ論を発言
屋島が源平の合戦の舞台にならなければ観光客は誰も関心を持たない。尖閣諸島も血を流してまで得るもの
-
-
岩波書店の丁稚奉公ストライキ
『教科書には載っていない戦前の日本』p.222 封建的な雇用制度の改善を求めて岩波書店側に突
-
-
南米「棄民」政策の実像 遠藤十亜希著 岩波現代全書 最も南米移民を排出したのが最貧困地帯たる東北ではなく北部九州~山陽ラインだったのは何故か?
19世紀末から20世紀半ばまで、約31万人の日本人が、新天地を求めて未知の地ラテンアメリカに移住
-
-
ドナルド・トランプが大統領になる5つの理由を教えよう
https://www.huffingtonpost.jp/michael-moore/5-rea
-
-
中国の観光アウトバウンド政策 公研No.675 pp45-46
倉田徹立教大学法学部教授 1997年にアジア通貨危機、2003年にSARS流行発生時、香港経
-
-
角川文庫『ペリー提督日本遠征記』(Narrative of the Expedition of an American Squadron to the China Seas and Japan)
https://youtu.be/Orb9x7NCz_k https:
-
-
動画で考える人流観光学 リーマン予想 素数
ゲーテルの不確定性原理 https://youtu.be/hEG1cWJD