「南洋游記」大宅壮一
公開日:
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最終更新日:2023/05/27
検討旅行先, 用語「人流」「観光」「ツーリズム」「ツーリスト」
都立図書館に行き、南洋遊記を検索し、[南方政策を現地に視る 南洋游記」
日本外事協会/編 — 高山書院 — 1937 –を借り出す
大宅壮一の名前を見つけまずそこから読む。
南洋といっても、台湾、パラオ、フィリピンである。
どこかの出版社の視察に文化人として誘われて参加しており、あご足つきである。さしずめ今なら、テレビで撮影にタレント教授が参加しているようなもの、といっても一流の文化人であるから、今なら池上彰クラス、NHKスペシャルのろけに行くような感じか。
船で神戸から台湾に向かうとあり、一年前に飛行機で瀬戸内海を渡ったから、時間がかかって云々という記述があったが、自慢話であり、筆が滑ったのであろう。当時は大宅壮一クラスでも飛行機に乗ったことがうれしかったのだ。確か朝日新聞にジェット教授として九州と東京を講義のため通う話が出ていたことを思い出した。
台湾について、面白い記事。台湾大学は生徒一人に先生一人という記述。台湾大学には入学希望者が少なく、本土の他の大学に入れなかった学生が入学するので、定員に満たないと書いている。当事者には失礼な話であるが、私の父親世代は、このような「どこそこの学校は・・・」話を平気でしていた。一方、大学教師は、本土と異なり定年がなく、年に数回の渡航費用も出て、賃金も割増であるようなことを記述。昭和12年の世相がわかって面白い。今なら、台湾大学はエリート校である。
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