ハーディ・ラマヌジャンのタクシー数
特殊な数学的能力を保有する者が存在する。サヴァンと呼ばれる人たちだが、どうしてそのような能力が備わっているのか、まだその脳の構造は解明されていないが、数字に色を感じる人たち例えば素数が現れると、脳の中でその数字に色がついて見える共感覚は一般に広く知られているから、ラマヌジャンもそうであったのかもしれない。
ところで、タクシー数であるが、ラマヌジャンの逸話として有名なものの一つに次のものがある。
1918年、ラマヌジャンは療養所に入っており、見舞いに来たハーディは次のようなことを言った。「乗ってきたタクシーのナンバーは17929だった。さして特徴のない数字だったよ」
これを聞いたラマヌジャンは、すぐさま次のように言った。「そんなことはありません。とても興味深い数字です。それは2通りの2つの立法数数の和で表せる最小の数です」
実は、1729は次のように表すことができる。1729 = 123 + 13 = 103 + 93
すなわち、1729が「A = B3 + C3 = D3 + E3」という形で表すことのできる数 A のうち最小のものであることを、ラマヌジャンは即座に指摘したのである。 このようなことから、「全ての自然数はラマヌジャンの個人的な友人だ」と述べられている。この逸話のため、1729は俗にハーディ・ラマヌジャン数やタクシー数などと呼ばれている。
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