*

ジャパンナウの今後の原稿 体と脳の関係の理解

公開日: : 最終更新日:2023/05/28 ジャパンナウ観光情報協会


心と体が一致しない人たちへの理解も進み、オバマ大統領はStonewallをアメリカ合衆国の史跡に指定した。新しい観光資源の誕生であるが、ニューヨークを訪問した時は、表示も何もなく虹色の旗が出ていたのでわかっただけであった。NYを離れた直後に、トランプ氏が大統領の当選を決めていた。

脳のどの部位がどんな役割を担うかは後天的であり、脳地図は脳ではなく体が決める。従って脳は個性豊かであり、脳地図を見れば誰の脳であるかがわかるといわれている。脳は、入ってくる情報に応じてダイナミックかつ臨機応変に進化する。事故で手を失うと、失われた手に対応していた脳部分はどんどん退化していく。人間にはたまたま10本しか指がないが、脳にはもっとポテンシャルがある。もし、指が6本あれば脳には6本用の脳地図ができる。人間の体という性能の悪い乗り物に、高性能の脳が乗っかっているともいえる。脳そのものよりも、脳が乗る体の構造とその周囲の環境が重要なのである。

人間は喉に対応する大脳皮質の部分が広い表面積を占めていて、効率よく言葉を操れるように発達した。イルカやクジラもすごい脳をもっているが、手も指もないため、つまり、体がヒトほど優れていないためにイルカ等の脳は十分に使い込まれていないと理解すれば、動物愛護の思想も変化するに違いない。

坂網猟師は、手元を離れ上空に放り上げた坂網に、飛び立ってきた鴨が飛び込んできたとき、自分自身の手元でもそのぶるぶるとする感覚が伝わってくるという。同様に、遠隔操作型アンドロイドロボットを操作する際、触覚フィードバックがないにもかかわらずロボットの身体に触られると自分に触られたように感じる。身体への触覚刺激に同期して身体以外への物体に触覚刺激を与えている様子を観察させると、身体感覚の転移が生ずるRubber Hand Illusionは知られていた。これからは、触覚刺激を伴わない身体感覚の転移についての研究事例も発展するであろう。そうすれば、より進化したロボットも登場するに違いない。

関連記事

no image

ジャパンナウ予定原稿 感情と観光行動

観光資源に対して観光客に移動という行動をおこさせるものが感情である。言葉を換えれば刺激であ

記事を読む

no image

杉原幸吉先生の「錯覚観光」 ジャパンナウ観光情報協会セミナー

杉原幸吉先生の錯覚の研究についてはこれまでも紹介してきたので省略して、今回のセミナーで気付いたことを

記事を読む

位置情報革命が生み出す黒船Uberと自動運転車 (ジャパンナウ観光情報協会2014年1月)

GPS、スマートフォンの登場により位置情報の手軽な把握が可能となった。ネット検索最大手のGOOGLE

記事を読む

no image

🌍👜シニアバックパッカーの旅 ジャパンナウ観光情報協会2016年3月号原稿 スマホで海外旅行の未来

二月中旬に中東・東アフリカを駆け足で旅行した。ネットで予約から決済まで行った。スマホに搭乗の注意喚起

記事を読む

no image

JN原稿 視覚情報を解釈する脳

生物に目という臓器ができて、進化の過程で人間にも目ができあがって、宇宙空間を飛んでいる光子

記事を読む

no image

ジャパンナウ第百号原稿 中国を中心とした観光社会の予感

  ジャパンナウ観光情報協会の情報誌も今回で百号になります。私も「NPOから提言しま

記事を読む

no image

用語「観光」誕生物語 朝日新聞記事データベース「聞蔵」に見る昭和のクールジャパン報道分析

2014年10月10日にジャパンナウ観光情報教会観光立国セミナーで行った講演の議事録です。HPには使

記事を読む

no image

2022年8月ジャパンナウ観光情報協会原稿 アフターコロナという名の観光論 原稿資料

 ◎ジャパンナウ原稿案 2020年冬から始まった新型感染症は日本の人流・観光業界に

記事を読む

no image

ジャパンナウ2019年1月号原稿 ホーキング博士とローマ法王

人流・観光は意識に対する刺激により発生し、最も強いものが死に関するものであるから、戦跡や虐

記事を読む

no image

箱根について 藤田観光元会長の森本昌憲氏の話を聞いた結果のメモ書き ジャパンナウセミナー

2017年10月13日ジャパンナウ観光情報協会の観光立国セミナーで森本氏の話を聞く。日本ホテル・レス

記事を読む

PAGE TOP ↑