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ジャパンナウ原稿 人流大国・中国

公開日: : 最終更新日:2020/12/01 国際観光論

 LCCの深夜便を利用して、1泊3日の南京(850万人)、蘇州(1060万人)、杭州(920万人)を旅行した。五輪期間中の高騰も噂されている中国線のチケットだが、今は、諸税に座席指定料金やクレジット手数料を入れても羽田・上海(2400万人)往復25000円だから、国内旅行と変わりがない。スマホで簡単に予約決済ができる。おまけに国内の新幹線も予約・決済が可能で、駅でパスポートを見せれば発券してくれる。蘇州・杭州間1800円の 新幹線普通運賃 に対し、200円の手数料を取っていたから、ネット旅行会社としても立派だ。〇 江蘇省、浙江省等の大都市は地下鉄が整備され、相互に新幹線で連絡されている。運行本数もおおいうえに、拠点駅も複数ある。セキュリティチェックがあるにもかかわらず、混乱もなくさばいているのを見ると、いずれ日本の鉄道会社が参考にする時代が来るのかと思うくらいである。世界遺産である観光資源も、パスポートを見せると無料で入れてくれた。70歳を過ぎていることが確認できるからだ。〇 中国は、米国に次いで大きな航空市場を抱えている。その規模は日本のJRの輸送量を超えている。一千万人都市が14も存在するのだから当然といえば当然である。機材、乗員の規模も大きく、その余力をもってすれば、格安航空券が販売できる。そのうち、日本の国内航空輸送も中国系航空会社で席巻されるかもしれない。〇  1997年のアジア通貨危機、2003年のSARS流行発生時、香港経済はボロボロになった。その際に中国政府が行った中国人観光客の送迎等の「経済融合」政策が香港で非常に歓迎を受け、香港問題の根源は経済にあるという中国政府の認識ができたといわれる。香港返還記念日には毎年のように、北京の指導者がいわゆるビッグプレゼントを持ってやってくる。これが15年続いて2018年には人口730万人の香港に年間延べ5100万人もの中国人観光客が来るようになっている 。〇 中国政府が本気になって観光政策を活用する時代には、人口が十分の一の日本は、人口比が米国の十分の一であるカナダと同じような位置づけになってしまうのであろうか。

 表50 航空有償旅客輸送人マイル数      (単位:百万航空マイル)
 米国米国日本日本中国本土中国本土
国内国際国内国際国内国際
2013579588453624462
2014596622474127171
20156316664746N/AN/A
出典:国土交通省(日本)の航空輸送統計、運輸省(米国)のStatistics T-100 Segment data、および交通運輸部(中国)のchinastats2014_18.xlsx等のデータに基づき、筆者が算出

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