ジャパンナウ2019年1月号原稿 ホーキング博士とローマ法王
公開日:
:
最終更新日:2023/05/28
ジャパンナウ観光情報協会
人流・観光は意識に対する刺激により発生し、最も強いものが死に関するものであるから、戦跡や虐殺が観光資源になる。また、人間が死ぬということが貨幣を生み出し、その貨幣は賭博や売春を生みだし、何よりも宗教を必要とさせた。
ローマ教皇はホーキング博士を床に膝をつき出迎えた。神を必要としない宇宙の理論化に取り組んでいた博士は「脳はコンピュータのようなもの、壊れたコンピュータには天国も死後の世界もない」といい、「教皇に知られていなくてよかった。ガリレオのようになりたくないから」と語ったが、そのガリレオ裁判自体は存在しなかったらしい。
衛星画像からソーラーパネルを探し出すシステムが開発され、以前よりも正確な数値を導き出したという科学記事が出ていた。しかし、機上から眼下の景色を一瞬のうちに詳細に記憶できる人物が存在する。このサバンと呼ばれる人たちの脳の構造が、通常とは異なっていることまではわかっているが、なぜなのかはまだ解明されていない。
千数百億個の人の脳神経細胞が形も働きも違う種類ごとに集まり、六層の層構造をつくっている。ニューロンをすべてつなげると百万kmになる。この複雑なネットワークを電気信号が駆け巡り、高度な機能が生まれてくることまではわかり始めた。
人の脳細胞の構造をまねたデープ・ラーニングの開発が進んでいる。数段に進歩したGoogleの翻訳ソフトにより知られ始めたが、なぜそうなるかはまだわからない。人間の脳の構造を参考に赤ちゃんと同じ学習をしているから当然だ。
脳もコンピュータも、神経細胞や電子素子等ミクロ的世界まで下りてゆけば、そこには「わかる」も「意味」も消え失せてしまう。そういう状況の中で、どうして人はわかったり意味を感じたりするのか。その謎を解きたいと願うのが研究者である。そもそも意味を含まない計算モデルから、最終的に意味が生じるのはどうしてかということを突き止めたいというのが究極の目的であり、観光学研究もそこに向かわなければ遅れた科学となってしまう。
関連記事
-
-
ジャパンナウの今後の原稿 観光情報論序説 言語が生み出した記憶と時間
人類は二足歩行により手を獲得したが、骨盤が発達し難産になった。石器が使用できるようになり、
-
-
2022年8月ジャパンナウ観光情報協会原稿 アフターコロナという名の観光論 原稿資料
◎ジャパンナウ原稿案 2020年冬から始まった新型感染症は日本の人流・観光業界に
-
-
ジャパンナウ観光情報協会原稿 2020年3月 コロナウィルスと人流規制
コロナウィルス騒動の中、旅行先のサンサルバドル空港では空港レストラン職員もマスクをしていた。入管係
-
-
🌍👜シニアバックパッカーの旅 ⑨ ジャパンナウ観光情報協会9月号原稿 ミャンマー散骨旅行記(2)
ヤンゴンはこれから高度経済成長期を迎える。1970年初めて渡った時の香港に感じが似ていた。宿泊したホ
-
-
位置情報革命が生み出す黒船Uberと自動運転車 (ジャパンナウ観光情報協会2014年1月)
GPS、スマートフォンの登場により位置情報の手軽な把握が可能となった。ネット検索最大手のGOOGLE
-
-
ジャパンナウ予定原稿 感情と観光行動
観光資源に対して観光客に移動という行動をおこさせるものが感情である。言葉を換えれば刺激であ
-
-
シニアバックパッカーの旅 ジャパンナウ原稿 人流大国・中国
LCCの深夜便を利用して、1泊3日の南京(850万人)、蘇州(1060万人)、杭州(920万人
-
-
ジャパンナウ観光情報協会原稿2016年5月号 月極定額乗り放題サービス
月極定額乗り放題制は、携帯電話やプロバイダーが月極定額で使い放題なら、飛行機の代金も月払いにして
-
-
ジャパンナウ原稿 視覚 過去・現在・未来の時制(概念)が生 まれるのは、言語の使用つまり概念記憶となってからである。
生物に目という臓器ができて、進化の過程で人間にも目ができあがって、宇宙空間を飛んでいる光子を目
-
-
ジャパンナウ観光情報協会7月号 ミャンマー散骨旅行記(1)
九十六歳の父親がイラワジ川散骨を希望して旅立った。子供の頃モールメンライターやシャン族の話を聞かされ