*

アメリカの原爆神話と情報操作 「広島」を歪めたNYタイムズ記者とハーヴァード学長 (朝日選書) とその書評

公開日: : 最終更新日:2023/05/31 出版・講義資料, 軍隊、戦争

広島・長崎に投下された原爆について、いまなお多数のアメリカ国民が5つの神話・・・
=================
① 事前に警告し軍事基地を破壊した
② その衝撃で日本はすぐに降伏した
③ アメリカ人100万人、さらに多くの日本人の命を救った原爆は救世主だ
④ アメリカは神に託されて慈悲深い行いをした
⑤ 原爆による放射能の影響は(ほとんど)ない
=================
――を信じている。 

なぜこの根拠のない、嘘偽りの「神話」が信じ込まれることになったのか。
世界で最も権威あるニューヨークタイムズ記者とハーヴァード大学長が、
軍・政府と一体となって行なった情報操作と世論形成の痕跡をあぶり出す。

ネットに出ている書評

https://bookmeter.com/books/12896357

わざわざハーヴァードの学長を黒幕として引っ張り出しているが根拠は25年前のアメリカの1本の論文のみ。自分で検証を行なったわけでも無いようで、それを事実のように断定する書き方はどうなのか。また放射能被害が無いとの欺瞞があったと散々書いているが、そもそも放射能被害の定義がかかれていない。残留放射能なのか爆発時のガンマ線等によるものなのかも判然としないまま批判が続く。正直?と感じる本。最後の20ページだけ読めばいいのでは。☆。

NYタイムズの原爆情報操作をおそらく初めて明らかにした書か。またアメリカが放射線の影響を過小評価したのも、やはりそうだったかと気づかせた。ただしやや批判が一面的でステレオタイプである。原爆投下はその背景が奥深い、まだまだ十分な分析にはいたっていないようだ。なお放射能被害といわず放射線被害と正しく書くべきだ。

関連記事

no image

保護中: ツィンメルマン電報とトランプ大統領の国境の壁(米墨関係)

ツィンメルマン電報は第1次大戦中にドイツの外務大臣ツィンメルマンによってメキシコ政府に急送された

記事を読む

GOTOトラベルの政策評価のための参考書 『震災復興 欺瞞の構造』2012年 原田泰 新潮文庫

いずれ、コロナ対策としてのGOTOトラベル等の観光政策の評価が必要になると思い、災害対策等の先例を

記事を読む

no image

『カシュガール』滞在記 マカートニ夫人著 金子民雄訳

とかく甘いムードの漂うシルクロードの世界しか知らない人には、こうした動乱の世界は全く想像を超えるも

記事を読む

no image

中国「デジタル・イノベーション」の実力 公研2019No.665

モバイル決済は「先松後厳」まずは緩く、後で厳しく  日本の逆 AirbnbやUberが日本で

記事を読む

no image

観光資源評価の論理に使える面白い回答 「なぜ中国料理は油濃いのか」に対して、「日本人は油濃いのが好きなのですね」という答え

中華料理や台湾料理には、油を大量に使用した料理が非常に多いですが、そうなった理由はあるのでしょうか

記事を読む

『国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶』 (幻冬舎新書) 加谷 珪一 

題名にひかれて、三田図書館で借りて読む。表題は営業用に編集者がつけたのであろう。先進国が消費拡大

記事を読む

no image

『官僚制としての日本陸軍』北岡伸一著 筑摩書房 を読んで、歴史認識と観光を考える

○ 政治と軍 「軍が政治に不関与」とは竹橋事件を契機に明治政府が作ったことである。そもそも明治国家

記事を読む

no image

人間ってなんなの?:チンパンジーの4年戦争【 進化論 / 科学 / 人 類 】タンザニア

グドール 道具を使うチンパンジーを発見 ジェーン・グドール(Dame Jane Morris Go

記事を読む

no image

『戦争を読む』中川成美 「文学は戦争とともに歩む」は観光も戦争とともに歩む?

もし文学が、人間を語る容れ物だとしたら、まさしく文学は戦争とともに歩んだのである。しかし、近代以降の

記事を読む

no image

書評 渡辺信一郎『中華の成立』岩波新書

ヒトゲノム分析によれば、山東省臨̪淄の遺跡 2500年前の人類集団は現代欧州と現代トルコ集団の中間

記事を読む

no image
ロシア旅行の前の、携帯wifi準備

https://tanakanews.com/251206rutrav

no image
ロシア旅行 田中宇

https://tanakanews.com/251205crimea

no image
2025年11月25日 地球落穂ひろいの旅 サンチアゴ再訪

no image
2025.11月24日 地球落穂ひろいの旅 南極旅行の基地・ウシュアイア ヴィーグル水道

アルゼンチンは、2014年1月に国連加盟国58番目の国としてブエノスア

no image
2025年11月23日 地球落穂ひろいの旅 マゼラン海峡

プンタアレナスからウシュアイアまでBIZBUSで移動。8時にPUQを出

→もっと見る

PAGE TOP ↑