アメリカの原爆神話と情報操作 「広島」を歪めたNYタイムズ記者とハーヴァード学長 (朝日選書) とその書評
広島・長崎に投下された原爆について、いまなお多数のアメリカ国民が5つの神話・・・
=================
① 事前に警告し軍事基地を破壊した
② その衝撃で日本はすぐに降伏した
③ アメリカ人100万人、さらに多くの日本人の命を救った原爆は救世主だ
④ アメリカは神に託されて慈悲深い行いをした
⑤ 原爆による放射能の影響は(ほとんど)ない
=================
――を信じている。
なぜこの根拠のない、嘘偽りの「神話」が信じ込まれることになったのか。
世界で最も権威あるニューヨークタイムズ記者とハーヴァード大学長が、
軍・政府と一体となって行なった情報操作と世論形成の痕跡をあぶり出す。
ネットに出ている書評
https://bookmeter.com/books/12896357
わざわざハーヴァードの学長を黒幕として引っ張り出しているが根拠は25年前のアメリカの1本の論文のみ。自分で検証を行なったわけでも無いようで、それを事実のように断定する書き方はどうなのか。また放射能被害が無いとの欺瞞があったと散々書いているが、そもそも放射能被害の定義がかかれていない。残留放射能なのか爆発時のガンマ線等によるものなのかも判然としないまま批判が続く。正直?と感じる本。最後の20ページだけ読めばいいのでは。☆。
NYタイムズの原爆情報操作をおそらく初めて明らかにした書か。またアメリカが放射線の影響を過小評価したのも、やはりそうだったかと気づかせた。ただしやや批判が一面的でステレオタイプである。原爆投下はその背景が奥深い、まだまだ十分な分析にはいたっていないようだ。なお放射能被害といわず放射線被害と正しく書くべきだ。
関連記事
-
-
地域観光が個性を失う理由ー太田肇著『同調圧力の正体』を読んでわかったこと
本書で、社会学者G・ジンメルの言説を知った。「集団は小さければ小さいほど個性的になるが、その集団
-
-
ドナルド・トランプが大統領になる5つの理由を教えよう
https://www.huffingtonpost.jp/michael-moore/5-rea
-
-
『戦後経済史』野口悠紀雄著 説得力あり
ドッジをあやつった大蔵省 シャープ勧告も大蔵省があやつっている。選挙がある民主主義では難しいこと
-
-
『枕草子つづれ織り 清少納言奮闘す』土方洋一 紙が貴重な時代は、日記ではなく公文書
団塊の世代が義務教育時代に学修したことの一部が、その後の研究により覆されている。シジュウカラが言
-
-
『動物の解放』ピーターシンガー著、戸田清訳
工場式畜産 と殺工場 https://www.nicovideo.jp/watch
-
-
世界の運営を米国でなく中露に任せる 2023年6月7日 田中 宇
https://tanakanews.com/230607armenia.htm 5月25日、
-
-
QUARA コロナ対処にあたってWHO非難の理由にWHOの渡航制限反対が挙げられていますが、これをどう思いますか?
渡航制限反対は主に「中国寄りだから」という文脈で語られています。しかし調べてみれば、今回のコロナウ
-
-
『休校は感染を抑えたか』朝日新聞記事
https://www.asahi.com/articles/ASP6J51TNP6CULEI0
