『貧困と自己責任の中世日本史』木下光夫著 なぜ、かほどまでに生活困窮者の公的救済に冷たい社会となり、異常なまでに「自己責任」を追及する社会となってしまったのか。それを、近世日本の村社会を基点として、歴史的に考察
江戸時代の農村は本当に貧しかったのか
奈良田原村に残る片岡家文書、その中に近世農村の家計をきわめて詳細にしるした記録が存在する。本書ではその世界史的にも貴重なデータを初めて精緻に分析し公開。そこから導かれる数々の発見は、これまでの近世観を根底から覆し、世界水準の研究とも連携した歴史学の新たな出発ともなるだろう。なぜ日本人は貧困についてかくも冷淡で、自己責任をよしとするのか。日本史像の刷新を試み、現代の問題意識に貫かれた渾身の歴史学。
「著者をして、『貧困と自己責任の近世日本史』と題する本書の執筆へと駆り立たしめているのは、現代日本社会に対する怒りである。二一世紀日本は、なぜ、かほどまでに生活困窮者の公的救済に冷たい社会となり、異常なまでに「自己責任」を追及する社会となってしまったのか。それを、近世日本の村社会を基点として、歴史的に考察してみよう、というのが本書を貫く問題意識である。」(本書より)
関連記事
-
-
『はじめての認知科学』新曜社 人工知能研究(人の知性を人工的に作ろうという研究)と認知科学研究(人の心の成り立ちを探る研究)は双子
人工知能研究(人の知性を人工的に作ろうという研究)と認知科学研究(人の心の成り立ちを探る研究)は
-
-
QUORAの再掲載 南京大虐殺のあった無かった論争はどの様な証拠があれば決着がつきますか?
南京大虐殺のあった無かった論争はどの様な証拠があれば決着がつきますか?Koike Kazuki,
-
-
フェリックス・マーティン著「21世紀の貨幣論」をよんで
観光を理解する上では「脳」「満足」「価値」「マネー」が不可欠であるが、なかなか理解するには骨が折れる
-
-
「太平洋戦争末期の娯楽政策 興行取締りの緩和を中心に」 史学雑誌/125 巻 (2016) 12 号 金子 龍司
本稿は、太平洋戦争末期の娯楽政策について考察する。具体的にはサイパンが陥落した一九四四年七月に発
-
-
MaaSに欠けている発想「災害時のロジステックスを考える」対談 西成活裕・有馬朱美 公研2019.6
公研で珍しく物流を取り上げている。p.42では「自動車メーカーは自社の車がどこを走っているかという
-
-
『幻影の明治』渡辺京二著 日本の兵士が戦場に屍をさらしたのは、国民の自覚よりも(農村)共同体への忠誠、村社会との認識で追い打ちをかけている。惣村意識である。水争いでの隣村との合戦
「第二章 旅順の城は落ちずとも-『坂の上の雲』と日露戦争」 著者は「司馬史観」に手
-
-
QUORA 北方四島問題でソ連は日ソ不可侵条約が有るも拘わらず、終戦直後参戦し北方四島を強奪しましたが、国と国の条約は形式だけで何の意味も持たないのですか?
https://qr.ae/py4JmS 北方領土問題の発端は、大東亜戦争(太
-
-
何故日米開戦が行われたか。秋丸機関の報告書への解説 『経済学者たちの日米開戦』
書名は出版社がつけたものであろう。傑作ではある。書名にひかれて読むことになったが、およそ意思決定
-
-
『シュリューマン旅行記』 清国・日本 日本人の宗教観
『シュリューマン旅行記 清国・日本』石井和子訳 シュリューマンは1865年世界漫遊の旅に出か
-
-
「中国は国際秩序の守護者になるのか?」『公研』2017年3月号No.643鈴木一人
偶然二編の論文を読み、日本のマスコミでは認識できない記述を見つけた。 嫌中ムードを煽り立てる記事が
- PREV
- 小説、映画『山椒大夫』に現れる宿、旅
- NEXT
- 『原爆の子』1952年新藤兼人監督
