『貧困と自己責任の中世日本史』木下光夫著 なぜ、かほどまでに生活困窮者の公的救済に冷たい社会となり、異常なまでに「自己責任」を追及する社会となってしまったのか。それを、近世日本の村社会を基点として、歴史的に考察
江戸時代の農村は本当に貧しかったのか
奈良田原村に残る片岡家文書、その中に近世農村の家計をきわめて詳細にしるした記録が存在する。本書ではその世界史的にも貴重なデータを初めて精緻に分析し公開。そこから導かれる数々の発見は、これまでの近世観を根底から覆し、世界水準の研究とも連携した歴史学の新たな出発ともなるだろう。なぜ日本人は貧困についてかくも冷淡で、自己責任をよしとするのか。日本史像の刷新を試み、現代の問題意識に貫かれた渾身の歴史学。
「著者をして、『貧困と自己責任の近世日本史』と題する本書の執筆へと駆り立たしめているのは、現代日本社会に対する怒りである。二一世紀日本は、なぜ、かほどまでに生活困窮者の公的救済に冷たい社会となり、異常なまでに「自己責任」を追及する社会となってしまったのか。それを、近世日本の村社会を基点として、歴史的に考察してみよう、というのが本書を貫く問題意識である。」(本書より)
関連記事
-
-
『からのゆりかご』マーガレット・ハンフリーズ 第2次世界大戦後英国の福祉施設から豪州に集団移住させられた子供たちの存在を記述。英国、豪州のもっと恥ずべき秘密
第2次世界大戦後英国の福祉施設から豪州に集団移住させられた子供たちの存在を記述。英国、豪州のもっ
-
-
『脳の意識 機械の意識』渡辺正峰著 人間は右脳と左脳の2つを持ち,その一方のみでも意識をもつことは確かなので,意識を持っていることが確実である自分自身の一方の脳を機械で作った脳に置き換えて,両脳がある場合と同じように統一された意識が再生されれば,機械は意識を持ちうると結論できる.
Amazon 物質と電気的・化学的反応の集合体にすぎない脳から、なぜ意識は生まれるのか―。多くの
-
-
世界の運営を米国でなく中露に任せる 2023年6月7日 田中 宇
https://tanakanews.com/230607armenia.htm 5月25日、
-
-
『兵士のアイドル』押田信子著 盧溝橋事件勃発で、新聞の報道合戦開始 慰問団ブーム
陸軍恤兵(ジュッペイ)部 日清戦争時に少なくともそのたぐいの組織はできていた?
-
-
『金語楼の子宝騒動』(「あきれた娘たち」縮尺版)少子高齢化を想像できなかった時代の映画
1949年新東宝映画 私の生まれた年である。嫁入り道具に風呂敷で避妊薬を包むシーンがある。優生保護
-
-
QUORAに見る歴史認識 世界で日本人だけできていないと思われることは何ですか?
世界で日本人だけできていないと思われることは何ですか? そもそも、日本が世界的に優れているも
-
-
『ルポ ニッポン絶望工場』井出康博著
日本で働く外国人労働者の質は、年を追うごとに劣化している。 すべては、日本という国の魅力が根本のと
-
-
Quoraにみる歴史認識 日露戦争で日本は英米に膨大な借金をしてますがどうやって返済したのでしょうか?
ご質問文に「英米」とありますが、高橋是清の求めに応じて日本の戦時国債を購入して支えたジェイコブ・ヘ
-
-
『結婚のない国を歩く』モソ人の母系社会 金龍哲著
https://honz.jp/articles/-/4147 書によれば、「民族」という単
-
-
『カジノの歴史と文化』佐伯英隆著
IRという言葉の曖昧さ p.198 シンガポールにしても、世界から観光客を集める手法として、
- PREV
- 小説、映画『山椒大夫』に現れる宿、旅
- NEXT
- 『原爆の子』1952年新藤兼人監督
