*

小説、映画『山椒大夫』に現れる宿、旅

公開日: : 最終更新日:2023/05/30 動画で考える人流観光学

https://youtu.be/wZ1AUg-DAJg

1082年 平安末期の旅の画面が映画で出てくる。

説経節を語る者たちも、定住の地を持たぬ漂泊の民であり、「ささら乞食」として差別される身であった。

旅の途中で宿を断られる場面が出てきて、野宿する。時代考証が正確なのかわからないが、きちんとした商業ベースの宿泊施設がないことだけは確かなようだ。

しかし、人さらいが成立するということは、貨幣経済があるということであり、遊女の存在もしかりである。安寿の母親が船頭に巾着を渡そうとしている場面があるが、貨幣が存在したということ。しかし、宿場までは成立していなかったのであろう

青空文庫の『山椒大夫』

「もしもし。この辺に旅の宿をする家はありませんか」
 潮汲み女は足を駐とめて、主従四人の群れを見渡した。そしてこう言った。「まあ、お気の毒な。あいにくなところで日が暮れますね。この土地には旅の人を留めて上げる所は一軒もありません」

このごろこの土地を人買いが立ち廻るというので、国守が旅人に宿を貸すことを差し止めた。人買いをつかまえることは、国守の手に合わぬと見える。気の毒なは旅人じゃ。そこでわしは旅人を救うてやろうと思い立った。さいわいわしが家は街道かいどうを離れているので、こっそり人を留めても、誰に遠慮もいらぬ。わしは人の野宿をしそうな森の中や橋の下を尋ね廻って、これまで大勢の人を連れて帰った。

夜が明けかかると、大夫は主従四人をせき立てて家を出た。そのとき子供らの母は小さい嚢ふくろから金を出して、宿賃を払おうとした。大夫は留めて、宿賃はもらわぬ、しかし金の入れてある大切な嚢は預かっておこうと言った。なんでも大切な品は、宿に着けば宿の主人あるじに、舟に乗れば舟の主ぬしに預けるものだというのである。

関連記事

no image

刑事コロンボ49話「迷子の兵隊」 易経

易経が出てきたのでうれしくなった。最近の学生は易という言葉を聞いたことがないという。占いだと言って

記事を読む

no image

動画で考える人流観光学 国 国際観光 収支

◎国 https://youtu.be/CtSBeF2OHvA 令制国だ

記事を読む

no image

動画で考える人流観光講義 GDP

世界の1人当たり名目GDP 国別ランキング TOP30・推移 https://youtu.

記事を読む

no image

動画で考える人流観光学 脳が心を生み出す仕組み 他者起源説

https://jinryu.jp/blog/?p=43483 ヒトの心はどのように生れ、進化して

記事を読む

no image

動画で考える人流観光学 観光資源論 宇宙旅行

https://youtu.be/KpGnwLiTYj8 https://youtu.be/a

記事を読む

no image

動画で考える人流観光学講義(開志) 2023.12.11  観光情報

宿題 「新潟でのライドシェについて、自分の考えを800字程度でまとめる」 提出先 steramae

記事を読む

no image

動画で考える人流観光学 吟遊詩人、遍歴職人、お陰参り 

◎吟遊詩人 https://youtu.be/XAuuLpwstow  

記事を読む

no image

言語とは音や文字ではなく観念であるという説明

観光資源を考えると、言語とは何かに行き着くこととなる。 愛聴視して「ゆる言語学ラジオ」で例のエ

記事を読む

no image

動画で考える人流観光学 観光情報論 脳 

シジュウカラの言語 https://youtu.be/R_K9y27wpGc なぜ脳は小さく

記事を読む

no image

動画で考える人流観光学 観光情報論 意識 受動意識仮説 知、情、意

意識は幻想か?―「私」の謎を解く受動意識仮説(⇔サーチライト仮説) 間延びしないように意識をずらす

記事を読む

PAGE TOP ↑