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⑪ 機内映画

公開日: : 最終更新日:2018/03/04 2018年アメリカ・カリブ旅行

いつも行き帰りの飛行機の中で見る新作の映画も楽しみである。
逆に言うとそれ以外で映画を見ることがないのだ。

今回は、帰りの日本航空で『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(Darkest Hour)をみた。2017年のイギリス映画。邦題の着け方に違和感があるが、営業用には仕方がないのかも知れない。

劇中「ガリポリの戦い」という言葉が出てきてわからなかった。日本人は第二次世界大戦のことはよく知っているが、第一次大戦のことは知らないからだ。

ダンケルクの戦いは、第二次世界大戦の西部戦線における戦闘の一つで、ドイツ軍のフランス侵攻の1940年5月24日から6月4日の間に起こった戦闘である。追い詰められた英仏軍は、この戦闘でドイツ軍の攻勢を防ぎながら、輸送船の他に小型艇、駆逐艦、民間船などすべてを動員して、イギリス本国(グレートブリテン島)に向けて40万人の将兵を脱出させる作戦(ダイナモ作戦)を実行した。民間船の「徴用」を実施した。

日本ではこの徴用も戦後は禁句であった。運輸省海事産業課長時代、国際船舶制度を創設し、日本船舶への課税をなくすようなことを提案した。その見返りには非常時に公開命令が出せるよう制度を作らなければならなったが、日本海軍の戦時徴用の悪夢がまだ残っており、抵抗感がつようかった。朝日新聞の田岡さんは賛成しておられたが、記者クラブの朝日の記者は極めて否定的であった。当時は今と違いう社会が右翼傾向化していなかった。

この映画を見ながら、戦争も国内政治の延長で、チェンバレン、その後継者のハミルトンとチャーチルの政争であることがわかる。国王が間に入っているが真実はわからない。
チェンバレン、ハミルトンが辞職をほのめかして、ダンケルクの闘いを回避しヒットラーとの融和策を主張、イタリアの仲介に乗るか否か、チャーチルが悩むというストーリー。建前としては、戦わずしてヒットラーと融和すれば、結局イギリスは敗北だということであるが、本当にそうなったかはわからない。結果的には、アメリカの参戦があり、戦争に勝てたのである。チャーチルも英国兵士の大きな犠牲の可能性に心を痛めることが描かれており、政敵はこの点を、問題にしている。閣内大臣、閣外大臣という制度があり、日本ではさしずめ副大臣である。この副大臣会議でチャーチルは戦争継続の流れを作り、閣内大臣と折衝することが描かれている。
戦局の情報開示は、日本の大本営発表の様に事実を歪曲まではしていないようだが、真実をどこまで開示するかは、高度な軍事上の問題になる。政敵は開示を迫る。開示すれば国民はイタリアの仲介に乗れという声になるのかもしれない。自分の息子が死ぬかもしれないのだから、国民の声とはそんなものである。国王はチャーチルに、演説原稿には国民に誤解を与えるのではというようなことを発言しているが、本心は闘い継続派のように思える対応であり、この辺りは、勝利後のフィクションかもしれない。

日本の意思決定は、兵士は全く将棋の駒である(大勢の兵士を死なせても指導者は責任をとる体制にない)のと、陸海軍で情報共有がなされていなかったことである。チャーチルの戦略はアメリカを巻き込むことであり、ルーズベルトは、米国議会の制約があり、カナダまで飛行機を取りに来るなら貸してもいいという妥協がぎりぎりというシーンがある。チャーチルはそんなことはできないのでふさぎこむのである。そのような事態であったのは当然、当時の日本の外交団は承知していたであろう。しかし、その後日本真珠湾攻撃をするのであり、チャーチルの目論見通りになる。海軍の失態である。ヒットラーが英国を占領していたとしても、ソ連との闘いには勝利していたかわからない。しかし、当時の日本はソ連に塩を送っているような行動であった。最終的は米国如何である。仮にヒットラーが生き延びていても、いずれドイツも、フランコ後のスペイン同様、変質して変わってしまったであろうから、戦後の冷戦体制ではない形で、世の中が形成され、日本も再び大正デモクラシー的な変化が訪れたのであろう。どちらが良かったのかは結果論であるが、いずれにしろ、絶対こうでなければということはないのであろう。少なくとも300万人の日本人が無駄死にすることは避けられたであろう。私の周りでも、父方の伯父が沖縄で戦死している。

不動産業は着地型 旅行業は発地型

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