「北朝鮮の話」 平岩俊二 21世紀を考える会 10月13日 での講演
平岩氏の話である。
日本で語られる金ジョンウンのイメージは韓国発のイメージが強い。そのことは私も北朝鮮旅行から帰ってきてテレビのワイドショーで強く感じることであった。
北朝鮮に関するアメリカ政府が発してきた話も違ってきている。このことはアフガン、イラク等でも同じであるから、ブッシュジュニアの罪は重たいのではないか。
北朝鮮に、「妙な成功体験」を感じさせていると平岩氏は語る。
中国政府は、今は北朝鮮問題はアメリカの問題としているが、いずれまたアメリカは中国を頼ってくると思っている。
北朝鮮は核拡散防止条約に入っていたから、例外のインドのモデルには該当しないが、条約脱退したのだから核保有がなぜできないのかとおもっている。
韓国との関係では、韓国が李大統領暗殺、汚職等で、北朝鮮が優位に立っていたのに、
80年モスクワオリンピック、84年ロサンジェルスオリンピックは、アメリカ、ソ連のボイコットのあと、ソウルオリンピックを成功させ、劣位になってしまった。
あせって、ラングーンでのテロや、大韓航空機爆破事件を引き起こし、テロ国家のレッテルが張られてしまった。
その過程で、日本語教育をした田口八重子さんの存在が明らかになり、拉致被害者問題が今日に続くことになった。
ソ連崩壊後、韓国は中国、ロシアと国交を持ち、逆に、北は核の傘がなくなってしまった。
天安門事件では軍は共産党支持、ルーマニアでは軍は支持しなかった。この結果をみて、北では軍を重視して、先軍政治を始めたのである。
国連の経済制裁は中国が抜け穴になっている。制裁から民生品は除外されているが、書類に民生品と書けば免除されるようだ。
中国全体では北朝鮮はウェイトは大したことはない、しかし、東北三省と北朝鮮は経済的に相互依存体制ができている。
一つの省が経済規制をしても、残りの省がその穴を埋めて北と取引してしまう。
(戦前日本政府は、当時日本人であった朝鮮族を満州に大量に移住させたから、その結果、今の体制ができたのであろうと私は思った。)
韓国とケソン特別区の関係も同じで、制裁の跳ね返りが出てくるのである。
韓国情報によれば北朝鮮は経済成長しているが、これからは対外協調が必要になるであろう。
対話路線のため北朝鮮は、アメリカを引っ張り込むため5回目の核実験をした。
何しろ世界で十番目の衛星打ち上げのできる技術を持つ国に北朝鮮はなった。
韓国は、中国に裏切られたと思っている。李大統領が日米が反対するにも中国共産党式典に参加したにもかかわらず、反応がないからだ。
そのため韓国は北への直接働きかけをはじめ、脱北を進めている。
私も、なるほど最近脱北者が出ているのはそのことが原因しているのかとおもった。
北朝鮮は、今、先軍政治によって形成された軍の利権から共産党への利権への移行をはかっている。
それをチャンソッテクが横取りしようとして粛清された。彼は粛清されることを予測できなかった。
近時の粛清されている権力者もチャンソッテクと同類であり、思い当たることのある人たちである。
利権を取られる軍が黙っているのは、80代のシニアクラスが抑えているからである。
若者を中心に治安担当の官僚組織がしっかりしている。金ジョンウンをうまく操っている。
それでなければ、ロケット打ち上げや核開発など国を挙げてはできない。
中国から見て北朝鮮は、あってもなくても困る存在。
北とアメリカで緊張が起きれば困るが、バッファーゾーンがなくなっても困る。
アメリカは、北でプルトニウム型ではなく濃縮ウラン型の核が出てくるのは困る。
これからどうなるか。
関連記事
-
-
シャマニズム ~モンゴル、韓国の宗教事情~プラス『易経』
シャーマン的呪術は筮竹による数字と占いのテキストを使った方法にかわった。このことにより特殊能力者でな
-
-
明治維新の評価 『経済改革としての明治維新』武田知弘著
明治時代の日本は世界史的に見て非常に稀有な存在である。19世紀後半、日本だけが欧米列強に対抗し
-
-
動画で考える人流観光学 リーマン予想 素数
ゲーテルの不確定性原理 https://youtu.be/hEG1cWJD
-
-
You-Tube「Cruise to Japan in 1932」に流れる「シナの夜」
1932年は鉄道省に国際観光局が設置されて2年目、インバウンドが叫ばれる現代と同じような時代である
-
-
『金融資本市場のフロンティア 東京大学で学ぶFinTech、金融規制、資本市場』に学ぶべきMaaS
本書を読んで、アンバンドリングとリバンドリングという言葉に出会った。金融機能が、テクノロジーが導入
-
-
Quora 物語などによくあるように、中世ヨーロッパの貴族たちは国民から搾取してすごく贅沢な暮らしをしていたのですか?
中世に今日と同じ意味での「国民」はまだ存在しません。領主が農民を支配し、領主同士に主従関係
-
-
『コロナ危機が浮き彫りにした日本の統治機構とその弱点』読書メモ 竹中治堅・手塚洋輔 公研no.695 2021.7
首相の権限は強くない例 安倍首相2020年4月6日にコロナ患者用の病床を5万床にすると発言、しかし
-
-
『インバウンドの衝撃』牧野知弘を読んでの批判
題名にひかれて、麻布図書館で予約をして読んでみた。2015年10月発行であるから、爆買いが話題の時代
-
-
『日本が好きすぎる中国人女子』桜井孝昌
内容紹介 雪解けの気配がみえない日中関係。しかし「反日」という一般的なイメージと、中国の若者
-
-
井伏鱒二著『駅前旅館』
新潮文庫の『駅前旅館』を読み、映画をDVDで見た。世相はDVDの方がわかりやすいが、字句「観光」は
