平野聡著『大清帝国と中華の混迷』を読んで
公開日:
:
歴史認識
ヴァーチャル旅行韓国中国東北編を記述する際の参考に読んでみた。大変参考になったが、筆が走りすぎているところがあり、残念である。研究者であって、評論家ではないのであろうから、誠に残念である。
「狭い日本では実現できない新機軸を取り入れた満鉄の技術力は、戦後日本に帰国した関係者たちの手でやがて新幹線を花開かせただけでなく、今や東北新幹線車両のライセンス生産という形で中国の大地に里帰りを果たして、和諧号として走り始めた」と記述されるが、2007年時点での印象であろう。鉄道工学は経験工学であり、既に日本の新幹線の営業キロの10倍を上回る営業キロを中国高速鉄道は張り巡らしており、しかも、航空機並みに乗客全員のセキュリティーチェックを行って運行しているから、日本にはまねのできない技である。海抜5千メートルのツンドラ地帯を青海鉄道は走っているが、日本ではこの工事はできない。政治史を語るときに技術開発は不可欠かもしれないが、将来を予測できるものではない。
関連記事
-
-
QUORAに見る歴史認識 香港国家安全法について、多くの中国本土の人々はどのように考えているのでしょうか?
私は初めて香港に行ったとき、深セン税関の前で大声で怒鳴っている香港人たちがいて、聞き取れたのは"香
-
-
『天皇と日本人』ケネス・ルオフ
P114 マイノリティグループへの関心 p.115 皇室と自衛隊 他の国の象徴君主制と大きく
-
-
ジャパンナウ観光情報協会7月号 ミャンマー散骨旅行記(1)
九十六歳の父親がイラワジ川散骨を希望して旅立った。子供の頃モールメンライターやシャン族の話を聞かされ
-
-
歴史認識と書評 岡部伸『消えたヤルタ密約緊急電』
書評1第二次世界大戦のことを勉強してもここまでたどり着く人たちはなかなかいないだろう。上面な敗戦処
-
-
『元寇』という言葉は江戸時代になって使われ始めた
Wikiでは、「「元寇」という呼称は江戸時代に徳川光圀が編纂を開始した『大日本史』が最初の用例で
-
-
🌍🎒モンゴル観光調査の準備~社会主義が生み出した民族の英雄~
8月17日から2週間、地球環境基金の仕事でモンゴルの観光、環境調査に参加する。予備知識を得るため参考
-
-
消費と観光のナショナリズム 『紀元二千六百年』ケネスルオフ著
今観光ブームでアトキンス氏がもてはやされている。しかし、観光学者なら「紀元二千六百年」を評価すべ
-
-
『カシュガール』滞在記 マカートニ夫人著 金子民雄訳
とかく甘いムードの漂うシルクロードの世界しか知らない人には、こうした動乱の世界は全く想像を超えるも
-
-
QUORAに見る歴史認識 「日本は韓国に今までこんなことをしてあげた~」的な話をよく聞きますが、そもそもそこまで親身に韓国の発展を支援したのにはどのような魂胆があったんでしょうか?
「 普段は専門外の事には答えないようにしているのですが、あまりに回答者の回答内容が目に余るの
-
-
書評『我ら見しままに』万延元年遣米使節の旅路 マサオ・ミヨシ著
p.70 何人かの男たちは自分たちの訪れた妓楼に言及している。妓楼がどこよりも問題のおこしやすい場
