書評『法とフィクション』来栖三郎 東大出版会
観光の定義においても、自由意思を前提とするが、法律、特に刑法では自由意思が大前提。しかし、フィクションとしての自由意志、論理的怪物は印象深い。
書評1 ある程度法解釈に接近した問題意識から始まり、文学や神にまで議論を及ぼしたあと、社会契約を論じるに至る過程で少しずつフィクションの概念を形作っていこうとしていた。ものすごく引用、脚注が長い上に、文学、神といったあまり馴染みのないジャンルにまで話が及ぶのでなかなか読み進めるのには苦労したが、決して風呂敷を広げるだけ広げて門外漢のところにまでむやみやたらと手を出したわけではない印象を受けた。圧倒的な独自性を持つだけに、著者自身によるまとめが叶わなかったことはやはり残念。
書評2 木庭顕先生の評より。「引用のかげに隠すようにそっと自己の判断(もしくはむしろ疑問)を挿入するという著者の極度に謙抑的な表現に幻惑させると、十分に著者の立論の精度と射程を把握しえない怖れるある」。「何重もの意味において、市民社会を構築しようとする伝統に連なる、最も正統的な選択。」
関連記事
-
-
ウクライナ戦争の戦況集収から考える「情報」の本質 2022年7月 公研 嫌露、嫌米、アンチ公権力等の先入観が情報収集機会を減少
2022年7月の「公研」で、クライナ戦争の戦況集収から考える「情報」
-
-
QUORA 李鴻章(リー・ホンチャン=President Lee)。
学校では教えてくれない大事なことや歴史的な事実は何ですか? 李鴻章(リー・ホンチャン=Pre
-
-
動画で考える人流観光学 観光情報論 数字
https://youtu.be/pe32PV5SxDg
-
-
保護中: 意識と量子力学とAI
量子力学には興味はあるものの、私の頭では理解できないことはわかっている。でも、わかりやすい解説がある
-
-
『日本語スタンダードの歴史』野村剛士は、「日本の話しことばについて」『現代国語三』所収 木下順二著1963年を否定
私の自説に、日常と非日常が相対化しており、観光資源もあいまいになってきているというアイデアがある
-
-
『新・韓国現代史』 文京洙著 岩波書店 を読んで、日韓観光を考える。
東アジアの伝統的秩序は、中国中心の華夷理念のもとに、東アジアの近隣諸国が朝貢・冊封の関係において秩序
-
-
quora 中世、近世のヨーロッパで、10代の女性がどのような生活を送っていたのか教えてくれませんか?貴族階級/庶民とそれぞれ、何をしていたのでしょうか?
何で10代の女性限定なのかよくわかりませんが、知っている範囲で。 中世の庶民は、ほぼ
-
-
動画で考える人流観光学 観光資源、質量の正体は一体何なのか -質量の起源-
https://youtu.be/TTQJGcu-x3A https://
-
-
『貧困と自己責任の中世日本史』木下光夫著 なぜ、かほどまでに生活困窮者の公的救済に冷たい社会となり、異常なまでに「自己責任」を追及する社会となってしまったのか。それを、近世日本の村社会を基点として、歴史的に考察
江戸時代の農村は本当に貧しかったのか 奈良田原村に残る片岡家文書、その中に近世農村
-
-
「太平洋戦争末期の娯楽政策 興行取締りの緩和を中心に」 史学雑誌/125 巻 (2016) 12 号 金子 龍司
本稿は、太平洋戦争末期の娯楽政策について考察する。具体的にはサイパンが陥落した一九四四年七月に発