書評『法とフィクション』来栖三郎 東大出版会
観光の定義においても、自由意思を前提とするが、法律、特に刑法では自由意思が大前提。しかし、フィクションとしての自由意志、論理的怪物は印象深い。
書評1 ある程度法解釈に接近した問題意識から始まり、文学や神にまで議論を及ぼしたあと、社会契約を論じるに至る過程で少しずつフィクションの概念を形作っていこうとしていた。ものすごく引用、脚注が長い上に、文学、神といったあまり馴染みのないジャンルにまで話が及ぶのでなかなか読み進めるのには苦労したが、決して風呂敷を広げるだけ広げて門外漢のところにまでむやみやたらと手を出したわけではない印象を受けた。圧倒的な独自性を持つだけに、著者自身によるまとめが叶わなかったことはやはり残念。
書評2 木庭顕先生の評より。「引用のかげに隠すようにそっと自己の判断(もしくはむしろ疑問)を挿入するという著者の極度に謙抑的な表現に幻惑させると、十分に著者の立論の精度と射程を把握しえない怖れるある」。「何重もの意味において、市民社会を構築しようとする伝統に連なる、最も正統的な選択。」
関連記事
-
-
『1964 東京ブラックホール』貴志謙介
前回の東京五輪の世相を描いた本書を港区図書館で借りて読む。今回のコロナと五輪の関係が薄らぼんやりと
-
-
『不平等生成メカニズムの解明』「移民はどのようにして成功するのか」竹中歩・石田賢示・中室牧子
「移民はどのようにして成功するのか」竹中歩・石田賢示・中室牧子『不平等生成メカニズムの解明』ミネルバ
-
-
『ざっくりとわかる宇宙論』竹内薫
物理学的に宇宙を考察すればするほど、この宇宙がいかに特殊で奇妙なものかが明らかになる。マルチバー
-
-
2002年『言語の脳科学』酒井邦嘉著 東大教養学部の講義(認知脳科学概論)をもとにした本 生成文法( generative grammar)
メモ p.135「最近の言語学の入門書は、最後の一章に脳科学との関連性が解説されている」私の観光教
-
-
「東日本大震災復興に高台造成はやはり必要なかった」原田 泰
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/22460?utm_sou
-
-
書評『シュリューマン旅行記 清国・日本』石井和子訳
日本人の簡素な和式の生活への洞察力は、ベルツと同じ。宗教観は、シュリューマンとは逆に伊藤博文等が
-
-
『永続敗戦論 戦後日本の核心』、『日米戦争を起こしたのは誰か ルーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず』『英国が火をつけた「欧米の春」』の三題を読んで
「歴史認識」は観光案内をするガイドブックの役割を持つところから、最近研究を始めている。横浜市立大学論
-
-
ピアーズ・ブレンドン『トマス・クック物語』石井昭夫訳
p.117 観光tourismとは、よく知っているものの発見 旅行travelとはよく知られていな
-
-
ハーディ・ラマヌジャンのタクシー数
特殊な数学的能力を保有する者が存在する。サヴァンと呼ばれる人たちだが、どうしてそのような能力が備わ
