QUORA 日本の歴代総理大臣ワースト1は誰ですか?
近衛文麿でしょう。彼は首相在任中に国運を左右する二つの極めて重大な判断ミスを犯しています。
一つ目は、日中戦争の早期収拾失敗です。この戦争は蒋介石の側から仕掛けてきたもので、あまりにも反撃が上手く行き過ぎて首都南京まで攻め落としてしまったのですが、蒋介石からの講和の打診を蹴ってしまい泥沼化を招きました。また、講和を蹴った事で侵略者が中国から日本に変わったと見做され、挙句の果てにアメリカと戦争を始めてまとめて敗れた事で、満州事変から繋がる一連の戦争と言うストーリーにされてしまいました。
二つ目は、太平洋戦争に至る前段階での対米外交における失策です。当時、フランスを倒したドイツが次にイギリスを攻撃している状況で、イギリスにとどめを刺し得る海軍力を持つ日本に対して、イギリスに配慮したアメリカが大幅に融和的な提案を出してきました。しかし、これを受け入れる決断を出来ないまま時間を空費、独ソ戦が始まった事でイギリスが安全となったと判断したアメリカが態度を硬化させてしまい千載一遇の好機を逃しました。
どちらの事案でも陸海軍や大臣が奇天烈な行動を取って事態を難しくした面(※)はありますが、「戦争を避ける」「戦争を終わらせる」と言う国民の幸福にとって最も大事なポイントで決断を二度もしくじった総理大臣は他にはおりません。
※
日中戦争では、上海駐留の海軍陸戦隊が蒋介石の攻勢の矢面に立たされた際に、蒋介石が華北の軍閥に命じて行わせた陽動作戦に引っ掛かって増援の師団を華北に送っていた陸軍が「上海は捨てて撤退すれば?」と提案してきたことにブチ切れていた海軍が講和交渉にひたすら反対しました。
対米外交では、日独伊にソ連を加えた四国同盟を構想していた外務大臣の松岡洋祐がヒトラーとスターリンと会談しに訪欧している最中にアメリカとの交渉が進展、帰国した松岡は四国同盟成立どころか三国同盟の形骸化を意味するアメリカの提案内容に拗ねてサボタージュ。当時の内閣の仕組みでは首相が外相の頭越しに外務省を動かせなかったために時間を浪費してしまいました。
関連記事
-
-
『尖閣諸島の核心』矢吹晋 鳩山由紀夫、野中務氏、田中角栄も尖閣問題棚上げ論を発言
屋島が源平の合戦の舞台にならなければ観光客は誰も関心を持たない。尖閣諸島も血を流してまで得るもの
-
-
ここまで進化したのか 『ロボットの動き』動画
https://youtu.be/fn3KWM1kuAw
-
-
『近世旅行史の研究』高橋陽一 清文堂出版 宮城女子学院大学
本書の存在を知り港区図書館の検索を探したが存在せず都立図書館で読むことにした。期待通りの内容で、
-
-
Quoraに見る歴史認識 日本は日清戦争、日露戦争では勝利することができたのに、先の大戦 (第二次世界大戦) ではなぜ敗北に至ったのでしょうか。 日清日露と第二次世界大戦を比較対照して答えていただけたら幸いです。?
日本は日清戦争、日露戦争では勝利することができたのに、先の大戦 (第二次世界大戦) ではなぜ敗北
-
-
書評『我ら見しままに』万延元年遣米使節の旅路 マサオ・ミヨシ著
p.70 何人かの男たちは自分たちの訪れた妓楼に言及している。妓楼がどこよりも問題のおこしやすい場
-
-
『言ってはいけない中国の真実』橘玲2018年 新潮文庫
コロナ禍で海外旅行に行けないので、ブログにヴァーチャルを書いている。その一つである中国旅行記を
-
-
国際連盟における中華民国代表顧維欽の演説(人流論) 渡辺銕蔵が戦争調査会で繰り広げる際に引用
満州には日本人はわずかしか入っていない。 朝鮮から日本に入った方が多いくらいだ。 なぜ
-
-
2023/7/18 【未来予測】地球の課題を解決するのは「人流ビッグデータ」だ ジオテクノロジーズ | NewsPicks Studios
https://newspicks.com/news/8641407/body/ 若い人達も人
-
-
ネット右翼を構成する者 メディアが報じるような「若者の保守化」現象は見られない
樋口直人は『日本型排外主義』の中で、大部分は正規雇用の大卒ホワイトカラーであるとし、古谷経衡も「ネ
