「元号と伝統」横田耕一 学士會会報No.937pp15-19
公開日:
:
最終更新日:2023/05/29
伝統・伝承(嘘も含めて), 出版・講義資料, 観光資源
元号の法制化に求めた人々に共通する声は元号は「日本文化の伝統である」というものだった。
一世一元制は古くからの伝統ではなく「明治に始まる伝統」にすぎない
元号法は伝統を根本的に変えた 天皇が時を支配することにあるなら、天皇が制定権者でなければならないが、元号法は政令で定めるとして決定権は内閣にあるとした
翌年に改元 する「踰年改元」の伝統がなくなった。元号法は「代始改元」を定めたものの、「継承があった場合」として改元時は旧皇室典範以上に不明確になった。
出典の伝統も変わった。漢籍からではなく、万葉集
明治に始まる一世一元制は天皇主権と不可分であり、元号自体はともかく一世一元制は違憲。現在の「平成最後の××」とかの言葉が横行 国民主権意識を阻害している。
関連記事
-
非言語情報の「痛み」
言語を持たない赤ん坊でも痛みを感じ、母親はその訴えを聞き分けられる。Pain-o-Meter Sc
-
希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書) 新書 – 2010/8/17
ピースボートというクルーズ旅行商品があり、かつて週刊誌にその悪評が掲載されたことがある。消費者保護を
-
保護中: 『中世を旅する人びと』 阿部 謹也著を読んで
西洋中世における遍歴職人の「旅」とは、糧を得るための苦行であり、親方の呪縛から解放される喜びでもあっ
-
『素顔の孫文―国父になった大ぼら吹き』 横山宏章著 を読んで、歴史認識を観光資源する材料を考える
岩波書店にしては珍しいタイトル。著者は「後記」で、「正直な話、中国や日本で、革命の偉人として、孫文が
-
電力、情報、金融の融合
「ブロックチェーンとエネルギーの将来」阿部力也 公研2019No673 電気の値段は下がって
-
『「食べること」の進化史』石川伸一著 フードツーリズム研究者には必読の耳の痛い書
食べ物はメディアである 予測は難しい 無人オフィスもサイバー観光もリアルを凌駕できていない
-
横山宏章の『反日と反中』(集英社新書2005年)及び『中華民国』(中央公論1997年)を読んで「歴史認識と観光」を考える
歴史認識を巡り日本と中国の大衆が反目しがちになってきたが、私は歴史認識の違いを比較すればするほど、
-
『尖閣諸島の核心』矢吹晋 鳩山由紀夫、野中務氏、田中角栄も尖閣問題棚上げ論を発言
屋島が源平の合戦の舞台にならなければ観光客は誰も関心を持たない。尖閣諸島も血を流してまで得るもの
-
日本人が海外旅行ができず、韓国人が海外旅行ができる理由 『from 911/USAレポート』第747回 「働き方改革を考える」冷泉彰彦 を読んで、
勤労者一人当たり所得では、日本も韓国も同じレベル 時間当たりの所得では、日本は途上国並み これで