ウクライナ戦争の戦況集収から考える「情報」の本質 2022年7月 公研 嫌露、嫌米、アンチ公権力等の先入観が情報収集機会を減少
公開日:
:
最終更新日:2023/05/28
出版・講義資料
2022年7月の「公研」で、クライナ戦争の戦況集収から考える「情報」の本質 と題して東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授・渡邉英徳氏と防衛省防衛研究所防衛政策研究室長・高橋杉雄氏の対談が掲載されている。電力会社が支援しているので、どちらかと言えば保守的なメディアであるが、その中では問題提起的である。来月にはネットでも公開(https://koken-publication.com/)されるが、私のような素人には大変参考になった。衛星写真をアーカイブしてウクライナの戦況を伝えるというものだが、データの検出に高度な技術は不要ということ。戦時下では情報が操作されがちということは、大本営発表を知っている日本人なら誰でも理解できるが、あらためて米軍のイラクやコソボでの実例を挙げ、今回も英米はロシアに関しては聞かれていないことも饒舌にしゃべるのだが、ウクライナ軍の情報が出てこなかったことを特徴に挙げている。対談の中で、ロシア軍が苦戦しているとはいいがたかった、つまり情報が矛盾していたとしている。オープン・ソース・インテリジェンスを駆使し、(嫌露、嫌米、アンチ公権力等)の先入観が情報収集機会を減少させることを認識し、自分の評価基準をもって情報を判断すれば、ウクライナ戦争のみならず日本の中央、地方行政の実情も一目瞭然となるといっている。是非一読してもらいたい。
関連記事
-
『動物の解放』ピーターシンガー著、戸田清訳
工場式畜産 と殺工場 https://www.nicovideo.jp/watch
-
「太平洋戦争末期の娯楽政策 興行取締りの緩和を中心に」 史学雑誌/125 巻 (2016) 12 号 金子 龍司
本稿は、太平洋戦争末期の娯楽政策について考察する。具体的にはサイパンが陥落した一九四四年七月に発
-
ネット右翼を構成する者 メディアが報じるような「若者の保守化」現象は見られない
樋口直人は『日本型排外主義』の中で、大部分は正規雇用の大卒ホワイトカラーであるとし、古谷経衡も「ネ
-
『知の逆転』吉成真由美 NHK出版新書
本書はジャレド・ダイアモンド、ノ―ム・チョムスキー、オリバー・サックス、マービン・ミンスキー、ト
-
「米中関係の行方と日本に及ぼす影響」高原明生 学士會会報No.939 pp26-37
金日成も金正日も金正恩も「朝鮮半島統一後も在韓米軍はいてもよい」と述べたこと 中国支配を恐れてい
-
ジャパンナウ観光情報協会機関紙138号原稿『コロナ禍に一人負けの人流観光ビジネス』
コロナ禍でも、世界経済はそれほど落ち込んでいないようだ。PAYPALによると、世界のオンライン
-
『鎌倉時代の交通』新城常三著 吉川弘文館
交通史の泰斗新城常三博士の著作物をはじめて読む。『社寺参詣の社会経済史的研究』が代表作であるが、既
-
化石燃料は陸上生物の生息域の保全に役立っている 堅田元喜
https://cigs.canon/article/20201228_5529.html
-
『漁業という日本の問題』勝川俊雄 日本人は思ったほど魚を食べてない。伝統の和食イメージも変化
マスコミによってつくられた常識は、一度は疑ってかかる必要があるということを感じていますが、「日本人は
-
『チベットの娘』リンチェン・ドルマ・タリン著三浦順子訳
河口慧海のチベット旅行記だけではなく、やはりチベット人の書物も読まないとバランスが取れないと思い、標