*

『中国はなぜ軍拡を続けるのか』阿南友亮著

公開日: : 最終更新日:2023/05/29 出版・講義資料, 歴史認識, 軍隊、戦争

第40回サントリー学芸賞(政治・経済部門)受賞!
第30回アジア・太平洋賞特別賞受賞!

何故「軍拡」か。
第一義的には、共産党独裁体制存続のためのコストである。用心棒代である。
貧弱であっても、威嚇・恫喝・牽制の手段とはそれなりになる。
そして、軍需産業は、共産党幹部や軍幹部の既得権となっている。軍拡は、金の生る木である。

鄧小平の「誤算」と「軍拡の底なし沼」とは――?
共産党独裁の「暴力依存」構造を解き明かす。

日本がいかに誠実な対応を取ろうとも、どれだけ経済的相互依存を深めようとも、中国共産党はこの先も軍拡を続けるし、いつか武力衝突に発展する危険性がある。それはなぜか――? 人民解放軍の分析を長年にわたり続けてきた気鋭の中国研究者が、一党独裁体制における政軍関係のパラドックスを構造的に解き明かし、対中政策の転換を迫る決定的論考。

「あとがき」に書いてありますが、
革命の聖地とされる延安に向かう途中で寄った村では村に水道さえなく、天秤棒で重い水くみ水運びが日々の欠かせない重労働。
著者はこう訊きます。「共産党の革命を支えた地の農民たちがいまだに水にすら困っていることをどう思うか?」
農民の答えは、「革命をやっても苦しさが変わらないのなら、これからも変わらないさ」

関連記事

no image

動画で考える人流観光学 マクスウェルの悪魔

【物理学150年の謎を日本人教授が解明】マクスウェルの悪魔が現れた!/東京大学 沙川貴大教授/教え子

記事を読む

no image

QUORAにみる歴史認識 伊藤博文公は、当初朝鮮併合に関しては反対だったって話ですが、実際は如何でしょうか?

伊藤博文公は、当初朝鮮併合に関しては反対だったって話ですが、実際は如何でしょうか?

記事を読む

no image

国際収支の理解 インバウンド好調の原因

それでも円高にならないのはなぜか?「売った円が戻ってこなくなった」理由 https://www.

記事を読む

no image

保護中: 書評『脳は空より広いか』エーデルマン著 冬樹純子訳 草思社

エデルマンは、Bright Air、Brilliant Fire、Wider than the

記事を読む

no image

『鉄道が変えた社寺参詣』初詣は鉄道とともに生まれ育った 平山昇著 交通新聞社

初詣が新しいことは大学の講義でも取り上げておいた。アマゾンの書評が参考になるので載せておく。なお、

記事を読む

no image

『サカナとヤクザ』鈴木智彦著 食と観光、フードツーリズム研究者に求められる視点

築地市場から密漁団まで、決死の潜入ルポ! アワビもウナギもカニも、日本人の口にしている大

記事を読む

no image

書評 三谷太一郎『日本の近代とは何であったか』日本何故いかにして植民地帝国となったのか ビルマの竪琴のラストはスコットランド民謡 共通の歌曲がない 欧州文化と同じ意味でのアジア文化の存在に疑念

植民地帝国へと踏み出す日本 三国干渉が契機 非公式帝国主義 コストをかけなくてすむ方式 不平

記事を読む

no image

2002年『言語の脳科学』酒井邦嘉著 東大教養学部の講義(認知脳科学概論)をもとにした本 生成文法( generative grammar)

メモ p.135「最近の言語学の入門書は、最後の一章に脳科学との関連性が解説されている」私の観光教

記事を読む

no image

QUORAに見る観光資源 マヤ語とは何ですか?

マヤ語とは何ですか? マヤ語の研究を高校生にして大きく押し進め、現在もマヤ文化と考

記事を読む

no image

書評『ペストの記憶』デフォー著

 ロビンソン・クルーソーの作者ダニエル・デフォーは、17世紀のペストの流行に関し、ロンドン市長及び

記事を読む

PAGE TOP ↑