*

ブロックチェーンと白タク、民泊シェアリングエコノミー 『公研』2018.12.No.664 江田健二×大場紀章 を読んで考える

公開日: : 最終更新日:2023/05/30 ライドシェア, 路銀、為替、金融、財政、税制

白タクや民泊は、絶えずその有償性が問われて、既存業界の攻撃の的になる。無償であれば全く問題がない。チップもタクシー運転手やホテルのドアマンが受け取っているから問題はない。

表記の対談は「公研」で「変わるエネルギーの形とブロックチェーン技術」と題したもので、大変なヒントが得られた。ブロックチェーンを活用した電気の利用シーンをより便利にするサービスが広がることが考えられる語っており、海外ではバッテリーのオーナーを通して、蓄電池の容量をシェアしあうという実証実験が行われているとある。

であれば、車のオーナー、部屋のオーナーを通して、利用状態をシェアしあうということも考えられることに気が付いた。

現実貨幣でもチップなら直接の対価ではないという解釈であれば、仮想通貨(暗号通貨)はなおさら間接なものであろう。仮想通貨まで行かなくてもマイレージを使用することを違反だとすると、ポイントが付くクレジット等で支払う場合のタクシーメーター制度が維持できなくなる。

「公研」のおさらいをすると、ブロックチェーンの定義は大場氏によれば「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを使い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率がゼロへ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンとよぶ」簡単に言ってもらうと「信頼できる人を決めなくても一度行った取引の改竄の難しさを保証できる分散型システム」としている。

もともとブロックチェーン技術が生まれたのは政情が不安な東欧 彼らは自国政府よりもこうした技術の方が信頼がおけると考えた

ここで注意しておかなければならないのは、取引の信頼性であって、個人や企業の信用を保証するわけではない

ブロックチェーン技術は仮想coinと現実の通貨との取引をする際の安全性を保障してくれないので、そこにセキュリティ上の懸念が出てくる。

ビットcoinなどの仮想通貨だけですべて完結するか、仮想通貨を介さないスマートコントラクトであれば、ハッキングや改竄といった面では安全。現実の通貨と交換するという要素が入った瞬間に、ビットcoinはある意味で弱点が出てきてしまう

江田氏はブロックチェーン技術について、「離れた人に対して、だれにも邪魔されずに価値あるものを送れる技術」と説明する。一度もあったことのない人と、仮想通貨であれば通貨という価値を、電気であれば電機という価値のあるものをやり取りできる、ブロックチェーンの面白いところがここにある

江田氏は、小さな価値を交換する場合がブロックチェーン技術が良いと言っている。駅や電車の混雑緩和に、ブロックチェーンの仕組みを使って、小さな単位の譲り合いの取引をする仕組みを説明している

これまで価値のやり取りは国が発行する貨幣ですべてやっていた。今新しい技術ができたことにより、皆がどの取引にどのくらい信用があればちょうどいいのか試している状態 インターネットが普及していった展開と似ている

自動運転になると、停止状態はもったいないから必要な人のところに走らせる。劇的に効率的になる。稼働率が上がれば走行距離が長くなる。そうなればガソリンより電気の方がよくなるので、電気自動車が一気に普及する。そして効率的になるので必要とされる台数も劇的に減る

関連記事

ニュースアプリにみるタクシー配車アプリ(東京交通新聞2014年12月8日)

最近の学生はスマホが標準装備ですから、既存メディアの危機感も増大しています。私自身も朝起きてスマホで

記事を読む

no image

須田寛「国鉄改革を顧る」(くらしのリサーチセンター)メモと国の交通施策への感想

敬愛する須田寛氏の対談メモ。内容は既に知られていることではあるが、当事者が語ったものとしては数少ない

記事を読む

配車アプリの社会問題化

「Uber登録ドライバーが客を誘拐してレイプする事件発生、他の国でもトラブルあり」と報道されています

記事を読む

no image

キャッシュレス時代における2019年1月14日付東京交通新聞「クルー」の記事の書き方

クルーのシステムが本年1月いっぱいメンテナンスに入り、再開は2月と報道されていた。HPにも出ている

記事を読む

no image

国際観光収支の黒字に意味があるのか?

観光基本法が全面改正された法制上の大きいな理由は、中央集権規定の廃止であった。農業基本法等戦後成立し

記事を読む

越境白タクとアジアインバウンド観光振興会

不覚にも越境白タクという言葉があることを今まで知らなかった。「日本国内で増殖している中国の配車アプリ

記事を読む

no image

定額使い放題社会の先にあるもの 

「お金のない社会があったら」は、近年では忘れかけられているテーマです。共産主義国家が崩壊したことが原

記事を読む

no image

crew の チップ 問題に関する東京交通新聞の報道

東京交通新聞で、担当局長が、CREWのチップについて、チップを推奨するようなHPは道路運送法の有償運

記事を読む

no image

動画で考える人流観光学帝国ホテル等に見る「住と宿の相対化」

  https://youtu.be/21llSPlP5eQ https://yo

記事を読む

Boro Taxis(Green Cab) ニューヨーク市民の新たな足「ファイブボロー・タクシー」  ニューヨークのタクシー台数増加

かつては、車体を独特の黄色に塗装した"メダリオン・タクシー" (medallion taxicabs

記事を読む

no image
ロシア旅行の前の、携帯wifi準備

https://tanakanews.com/251206rutrav

no image
ロシア旅行 田中宇

https://tanakanews.com/251205crimea

no image
2025年11月25日 地球落穂ひろいの旅 サンチアゴ再訪

no image
2025.11月24日 地球落穂ひろいの旅 南極旅行の基地・ウシュアイア ヴィーグル水道

アルゼンチンは、2014年1月に国連加盟国58番目の国としてブエノスア

no image
2025年11月23日 地球落穂ひろいの旅 マゼラン海峡

プンタアレナスからウシュアイアまでBIZBUSで移動。8時にPUQを出

→もっと見る

PAGE TOP ↑