*

『初期仏教』 馬場紀寿著

公開日: : 最終更新日:2023/05/30 出版・講義資料

初期仏教は全能の神を否定

神々も迷える存在であるので、祈りの対象とならない

人間の知覚を超えた宇宙の真理や原理を論じないので、老荘思想のような「道」と一体となって生きることも説かない

人間の認識を超えて根拠のあることを語ることはできないと主張

宇宙原理を説かないから、宇宙の秩序に沿った人間の本性があるとは考えない。したがって、儒教のような、「道」や「性」に基づいて社会や個人の規範を示すこともしない

人間のなかに自然な本性を見出してそこに立ち返るように説くのではなく、人とという個体の存在が様々な要素の集合体であることを分析していく

初期仏教では、修業はするが、考案に集中するとか、只管打坐をするといったことはない。出家者が呪術行為にかかわることは禁止

それに代わって「個の自律」を説く 一人で生まれ一人死にゆく「自己」に立脚して倫理を組み立てる。生の不確実性を真正面から見据え自己を再生産する「渇望」という衝動の克服を説く

 

関連記事

no image

書評『ペストの記憶』デフォー著

 ロビンソン・クルーソーの作者ダニエル・デフォーは、17世紀のペストの流行に関し、ロンドン市長及び

記事を読む

『パッケージツアーの文化史』吉田春夫 草思社    

港区図書館の新刊本コーナーにあり、さっそく借り出して読んだ。JTBでの実務経験が豊富な筆者であり、

記事を読む

角川文庫『ペリー提督日本遠征記』(Narrative of the Expedition of an American Squadron to the China Seas and Japan)

https://youtu.be/Orb9x7NCz_k https:

記事を読む

no image

ウェストファリア神話

国際観光を論じる際に、文科省からしつこく、「国際」観光とは何かと問われたことを契機に、国際について

記事を読む

『諳厄利亜大成』に見る、観光関連字句

諳厄利亜大成はわが国初の英語辞典 1827年のものであり、tour、tourism、hotelは現

記事を読む

no image

ダークツーリズムと『脳科学からみた「祈り」』中野信子著

ダークツ―リズム 怖いもの見たさの時の脳内物質を調査する必要がある。その調査をせずして、ダークツー

記事を読む

『はじめての認知科学』新曜社  人工知能研究(人の知性を人工的に作ろうという研究)と認知科学研究(人の心の成り立ちを探る研究)は双子

人工知能研究(人の知性を人工的に作ろうという研究)と認知科学研究(人の心の成り立ちを探る研究)は

記事を読む

希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書) 新書 – 2010/8/17

ピースボートというクルーズ旅行商品があり、かつて週刊誌にその悪評が掲載されたことがある。消費者保護を

記事を読む

no image

 『財務省の近現代史』倉山満著 馬場鍈一が作成した恒久的増税案は、所得税の大衆課税化を軸とする昭和15年の税制改正で正式に恒久化されます・・・・・通行税、遊興飲食税、入場税等が制定されたのもこの時であり、戦費調達が理由となっていた 「日本人が汗水流して生み出した富は、中国大陸に消えてゆきました」と表現

p.98 「中国大陸での戦争に最も強く反対したのは、陸軍参謀本部 p.104 馬場

記事を読む

no image

QUORAにみる観光資源   なぜ、現代に、クラシックの大作曲家が輩出されないのですか?大昔の作曲家のみで、例えば1960年生まれの大作曲家なんていません。なぜでしょうか?

とっくの昔に旬を過ぎている質問と思われますが、面白そうなので回答します。 一般的に思われてい

記事を読む

no image
ロシア旅行の前の、携帯wifi準備

https://tanakanews.com/251206rutrav

no image
ロシア旅行 田中宇

https://tanakanews.com/251205crimea

no image
2025年11月25日 地球落穂ひろいの旅 サンチアゴ再訪

no image
2025.11月24日 地球落穂ひろいの旅 南極旅行の基地・ウシュアイア ヴィーグル水道

アルゼンチンは、2014年1月に国連加盟国58番目の国としてブエノスア

no image
2025年11月23日 地球落穂ひろいの旅 マゼラン海峡

プンタアレナスからウシュアイアまでBIZBUSで移動。8時にPUQを出

→もっと見る

PAGE TOP ↑