『初期仏教』 馬場紀寿著
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最終更新日:2023/05/30
出版・講義資料
初期仏教は全能の神を否定
神々も迷える存在であるので、祈りの対象とならない
人間の知覚を超えた宇宙の真理や原理を論じないので、老荘思想のような「道」と一体となって生きることも説かない
人間の認識を超えて根拠のあることを語ることはできないと主張
宇宙原理を説かないから、宇宙の秩序に沿った人間の本性があるとは考えない。したがって、儒教のような、「道」や「性」に基づいて社会や個人の規範を示すこともしない
人間のなかに自然な本性を見出してそこに立ち返るように説くのではなく、人とという個体の存在が様々な要素の集合体であることを分析していく
初期仏教では、修業はするが、考案に集中するとか、只管打坐をするといったことはない。出家者が呪術行為にかかわることは禁止
それに代わって「個の自律」を説く 一人で生まれ一人死にゆく「自己」に立脚して倫理を組み立てる。生の不確実性を真正面から見据え自己を再生産する「渇望」という衝動の克服を説く
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