コロナ後の日本観光業 キーワード 現金給付政策を長引かせないこと、採算性の向上、デジタル化、中国等指向
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最終更新日:2021/08/05
出版・講義資料
今後コロナ感染が鎮静化に向かうことが期待されているおり、次の課題はコロナ後の回復に向けての施策に重点が移ってくる。
その場合に、コロナが経済に与えるショックを和らげるために緊急避難的に実施されている現金給付などの短期的な経済支援策を長引かせないこと、市場競争力が低く本来であればすでに市場から退出しているべき企業がコロナ対策の財政支援策によって救済されているが、経済の正常化とともにそうしたゾンビ企業の市場からの退出を促すこと、リモートワークの常態化、オンライン会議の積極活用、環境改善などコロナによって生じた経済社会の質的変化を今後の企業経営の転換に生かすことが課題となる。この場合に、失業の増大という副作用を生む。
インバウンドの復活に当たっては、漫然とした対応に見切りをつけ中国等アジアに照準を据える。中国政府が、これまでに実施した景気刺激策の規模はすでにリーマンショック後の経済対策を上回っている。2022年北京オリンピックは威信にかけても成功させるであろうし、世界の観光客が中国に集まることになるから、無観客の東京オリンピックよりもインバウンド需要の照準は合わせやすい。
デジタル化を日本国内で推進しても、中国市場の3分の1の規模で実質成長率1%程度の日本経済が前提では国内観光市場開拓の成果を上げようにも限界がある。中国市場を選べば、市場規模および市場の拡大速度は圧倒的に大きく速い。
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