*

TravelerとTouristの違い

観光学会等関係者には興味深い記事の紹介。英米人が両者の違いをどう考えているかよくわかる。travelerと異なり、touristにはやや蔑みの気持ちがあることがわかる。羽生敦子氏がすでにそのことを紹介している。その気持ちは当然で、日本もついこの前までは同じであった。今はインバウンドと言っているが、ビジネスとしてお客様と言っているだけで、「客あしらい」がうまいの「客」に込めた気持ちと変わりはないだろう。

 https://lifehacker.com/go-to-church-when-youre-on-vacation-1831328044

 https://www.lifehacker.jp/2019/01/go-to-church-when-youre-on-vacation.html

Newspicksに紹介されていた記事。まず英文では

You don’t have to insinuate yourself into anyone’s home; you can just make a little small talk with some of the more friendly attendees, or compliment the choir and the clergy on the service. (Do not call it a performance.) But do try to stretch a little outside your comfort zone; that’s the difference between a traveler and a tourist.

訳文 誰かの家庭に入り込む必要はありません。親切な出席者と少し話したり、聖歌隊や儀式を司る聖職者を褒めたりするだけで良いのです(儀式をパフォーマンスと呼んではいけません)。自分にとって居心地の良いテリトリーから、少しだけ外に出てみましょう。それが、旅行家と観光客の違いなのです。

最後の文章は英文、訳文ともに興味がもたれる。原文のtravelerは通常は旅行者であろうが旅行家としたところが名訳である。いずれにしろ羽生敦子氏のいうマークトィンの時代から現代までかわらず、touristはマイナスイメージである。「旅の人」という蔑みのニュアンスとはまたことなるようでもある。その延長にtourismがあると思って間違いはないだろう。

そのうえで、開き直って、私のように人を移動させる刺激が観光の基本だとすると、むしろtravelerに近く、ここちよい感覚が観光の基本だとするとtouristになるということであろう。

関連記事

字句「観光」と字句「tourist」の遭遇(日本観光学会2015年6月発表) 

1 ヒトの移動概念の発生と字句の収斂 定住社会における人の移動概念が、英語圏では字句「trav

記事を読む

no image

動画で考える人流観光学 永遠の旅行者 5フラッグ理論  船籍

【PT】Perpetual Traveler 永遠の旅行者。 どの国の居住者にもならず、合法的に

記事を読む

no image

AIにきく イルクーツク、ヤクーツク、ウラジオストックの旅

      東京から、イルクーツク、ヤクーツク、ウラン

記事を読む

no image

🌍🎒2024シニアバックパッカー地球一周の旅(後日談) 忘れ物の入手とエアセネガルへの返金請求処理

◎ カンタス航空ラウンジでの忘れ物 カンタス航空ラウンジに、子供たちからのプレゼントであるポシェッ

記事を読む

no image

政策として明治時代に制定された、外国人旅行者の保護規定

訪日外国人が治療費を支払わずに帰国する問題を取り上げ、ネットで乱暴な言論を陳述する者を見かけるが、

記事を読む

no image

human geography

TVドラマのエレメンタリーホームズandワトソンのなかで、ホームズがhuman geography

記事を読む

no image

文化人類学で読み解く北朝鮮社会  伊藤亜人  公研 2017年10月号No.650

韓国人がなぜ、国内海外を含めてあれほど旅行をするのか考えていたが、一つの答えが見つかったような気がす

記事を読む

no image

よそ者としての「tourist」の語感

http://www.bbc.com/news/world-asia-india-44312894

記事を読む

no image

保護中: 動画で考える人流観光学(開志) 2024.2.29 まとめ テストと生成AI

地域産業研究(観光)第3・4学期/第4学期の定期試験の試験問題 問1 2040年における「観光」

記事を読む

no image

『海外旅行の誕生』有山輝雄著の記述から見る白人崇拝思想

表記図書を久しぶりに読み直してみた。学術書ではないから、読みやすい。専門家でもないので、観光や旅行

記事を読む

no image
2025.11月24日 地球落穂ひろいの旅 南極旅行の基地・ウシュアイア ヴィーグル水道

アルゼンチンは、2014年1月に国連加盟国58番目の国としてブエノスア

no image
2025年11月23日 地球落穂ひろいの旅 マゼラン海峡

プンタアレナスからウシュアイアまでBIZBUSで移動。8時にPUQを出

2025年11月22日地球落穂ひろいの旅 プンタアレナス

旅程作成で、ウシュアイアとプンタアレナスの順序を考えた結果、パスクワか

2025年11月19日~21日 地球落穂ひろいの旅イースター島(ラパヌイ) 

チリへの訪問は2014年に国連加盟国 として訪問済み。イースタ

2025年11月17日 アメリカ合衆国(国連加盟国5か国目)ワシントン州(19番目の州) ポイントロバーツ

アメリカ合衆国は、アラスカ、ニューヨーク、(DC)、ヴァージニア、イリ

→もっと見る

PAGE TOP ↑