*

2019年11月9日日本学術会議シンポジウム「スポーツと脳科学」聴講

公開日: : 出版・講義資料, 脳科学と観光

2019年11月9日日本学術会議シンポジウム「スポーツと脳科学」を聴講してきた。観光学も脳科学のシンポジウムを考える必要がある時代になっている。

AIは運動学習が苦手である。意識があったほうが役立つのではないか

潜在脳機能 イップス、マルアドプテーション

精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレー(動き)や意識が出来なくなる症状のことである。本来はゴルフの分野で用いられ始めた言葉だが、現在ではスポーツ全般で使われるようになっている。

伊佐正   日本学術会議神経科学分科会委員長  京都大学教授

平成30年度創設の京都大学の新規WPI研究拠点・ヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)の進化神経科学研究グループを兼ねている。特に霊長類で高度に進化した巧緻な運動、すなわち手指や眼球運動に関わる神経回路とその回路の部分損傷後の機能代償機構、さらには意思決定やモチベーション・注意・連合学習・意識などの認知機能のメカニズムについて多様な研究手法を融合して研究を進めている。特に、従来霊長類において困難だった光遺伝学や化学遺伝学などの先端的回路操作技術を霊長類において使用可能にする技術開発に注力している。

内藤栄一
国立研究開発法人情報通信研究機構

一流サッカー選手と「10:13 ブラインドサッカー選手の脳から考える 「神経系の適応と超適応

我々の研究室では、主にMRIなどのニューロイメージング手法や行動学的アプローチを用いて、人間の感覚・運動機能を理解して、これを改善・向上する研究を行っています。
我々の興味は、人間の身体認知から運動制御や運動学習に至るまでの幅広いトピックスを包括しています。例えば、身体像、身体意識や自己意識の脳内表現、他者理解、運動意図、運動イメージ、運動適応、運動技能、感覚運動連関などが主な研究テーマです。我々は、主にMRI、EEG、TMS、tDCSなどの装置を用いた研究を行っています。脳機能マッピングや脳情報復号化技術などを用いて、人間の感覚情報処理や運動制御・運動学習の脳内メカニズムを脳の機能と構造の両側面から理解し、行動計測による計算論モデルの構築を通して、脳のシステム的理解を図っています。これらの深い理解に基づき、適切な行動介入、神経修飾やニューロフィードバックなどの手法を用いて、人間の感覚・運動機能を効果的に改善・向上させる手法を開発しています。
子供から高齢者、感覚(視覚)障害者からトップアスリートに至るまでを広く研究の対象とし、発達に伴う機能分化、加齢に伴う機能劣化、障害者やスポーツの達人に見られる脳の特殊化や超適応機能などを可視化して、人間の一生を通じて起こる脳のネットワークレベルでの可塑性ルールの解明に挑んでいます。このような研究は、自己の脳の可塑的な適応力を最大限に活かして、子供から高齢者、身体障害者までが広く活躍できる社会を実現するための学術的基盤となります。
我々は、これらの基礎研究の知見がスポーツやリハビリテーショントレーニングなどの実生活現場に、継ぎ目なく移行できるような研究の枠組みを確立することを目指しています。これを実現するため、大阪大学をはじめとする様々な大学や企業との共同研究も積極的に行っています。

 

日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所 柏野牧夫

http://sports-brain.ilab.ntt.co.jp/

桑田選手が自己認識していたカーブの投げ方と、実際にカーブを投げている投げ方は、正確な観察によれば違った。

パラリンピックブレイン -パラアスリートの脳にみる人間の脳の再編可能性

東京大学大学院総合文化研究科 中澤公孝

https://www.ueharazaidan.or.jp/houkokushu/Vol.32/pdf/report/012_report.pdf

関連記事

no image

観光資源の評価に係る例 米国の有名美術館に偏り、収蔵作品は「白人男性」に集中

https://www.technologyreview.jp/s/117648/more-th

記事を読む

no image

QUORA 北方四島問題でソ連は日ソ不可侵条約が有るも拘わらず、終戦直後参戦し北方四島を強奪しましたが、国と国の条約は形式だけで何の意味も持たないのですか?

https://qr.ae/py4JmS   北方領土問題の発端は、大東亜戦争(太

記事を読む

no image

『二・二六帝都兵乱』アマゾンの書評

著者は軍制、軍事面からアプローチしていると言っているが、それだけではない。当時の社会の通念、雰囲

記事を読む

no image

QUORAにみる観光資源   なぜ、現代に、クラシックの大作曲家が輩出されないのですか?大昔の作曲家のみで、例えば1960年生まれの大作曲家なんていません。なぜでしょうか?

とっくの昔に旬を過ぎている質問と思われますが、面白そうなので回答します。 一般的に思われてい

記事を読む

no image

Quora 日本が西洋諸国の植民地にならなかったのは何故だと思いますか?

https://jp.quora.com/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%8C%

記事を読む

no image

『サカナとヤクザ』鈴木智彦著 食と観光、フードツーリズム研究者に求められる視点

築地市場から密漁団まで、決死の潜入ルポ! アワビもウナギもカニも、日本人の口にしている大

記事を読む

no image

日本人が海外旅行ができず、韓国人が海外旅行ができる理由   『from 911/USAレポート』第747回 「働き方改革を考える」冷泉彰彦 を読んで、

勤労者一人当たり所得では、日本も韓国も同じレベル 時間当たりの所得では、日本は途上国並み これで

記事を読む

河口慧海著『チベット旅行記』の記述  「ダージリン賛美が紹介されている」

旅行先としてのチベットは、やはり学校で習った河口慧海の話が頭にあって行ってみたいとおもったのであるか

記事を読む

no image

2022年8月ジャパンナウ観光情報協会原稿 アフターコロナという名の観光論 原稿資料

 ◎ジャパンナウ原稿案 2020年冬から始まった新型感染症は日本の人流・観光業界に

記事を読む

「世界最終戦論」石原莞爾

石原莞爾の『世界最終戦論』が含まれている『戦略論体系⑩石原莞爾』を港区図書館で借りて読んだ。同書の

記事を読む

PAGE TOP ↑