『「源氏物語」と戦争』有働裕 教科書に採用されたのは意外に遅く、1938年。なぜ戦争に向かうこの時期に、退廃的とも言える源氏物語が教科書に採用されたのか
公開日:
:
最終更新日:2023/05/29
伝統・伝承(嘘も含めて), 出版・講義資料
アマゾン書評
源氏物語といえば、枕草子と並んで国語教科書に必ず登場する古典である。しかし、この古典が初めて教科書に採用されたのは意外に遅く、1938年のサクラ読本(六年生)において口語訳が掲載されたのが初めてであるという。本書は、源氏物語が教科書に採用された際の様々な言説をまとめている一冊である。
本書では、宮廷恋愛を描いた源氏物語を道徳的に問題のない「児童文学」に改変して教科書に掲載し、一方で源氏物語を世界的文学と称揚しつつ、他方では道徳的観点から原典にあたらせないようにするという、教科書作成側の苦心が明らかにされている。また、それに対する学者の批判も紹介するなど、賛否を含めた源氏物語の教科書掲載が呼んだ反響も伺える点が面白い。
「なぜ戦争に向かうこの時期に、退廃的とも言える源氏物語が教科書に採用されたのか」という疑問を胸に読み進めれば、源氏愛好家にも楽しめる
関連記事
-
-
保護中: 蓮池透『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』
アマゾン書評 本書を読むに連れ安倍晋三とその取巻き政治家・官僚の身勝手さと自分たちの利権・宣伝
-
-
「温度生物学」富永真琴 学士会会報2019年Ⅱ pp52-62
(観光学研究に感性アナライザー等を用いたデータを蓄積した研究が必要と主張しているが、生物学では温
-
-
観光資源創作と『ウェールズの山』
観光政策が注目されている。そのことはありがたいのであるが、マスコミ、コンサルが寄ってたかって財政資金
-
-
quora 中世、近世のヨーロッパで、10代の女性がどのような生活を送っていたのか教えてくれませんか?貴族階級/庶民とそれぞれ、何をしていたのでしょうか?
何で10代の女性限定なのかよくわかりませんが、知っている範囲で。 中世の庶民は、ほぼ
-
-
保阪正康氏の講演録と西浦進氏の著作物等を読んで
日中韓の観光政策研究を進める上で、現在問題になっている「歴史認識」問題を調べざるを得ない。従って、戦
-
-
『インバウンドの衝撃』牧野知弘を読んでの批判
題名にひかれて、麻布図書館で予約をして読んでみた。2015年10月発行であるから、爆買いが話題の時代
-
-
動画で考える人流観光学 観光資源、質量の正体は一体何なのか -質量の起源-
https://youtu.be/TTQJGcu-x3A https://
-
-
何故日米開戦が行われたか。秋丸機関の報告書への解説 『経済学者たちの日米開戦』
書名は出版社がつけたものであろう。傑作ではある。書名にひかれて読むことになったが、およそ意思決定
- PREV
- 『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサ―著2001年
- NEXT
- 『ヴェノナ』
