*

『「源氏物語」と戦争』有働裕 教科書に採用されたのは意外に遅く、1938年。なぜ戦争に向かうこの時期に、退廃的とも言える源氏物語が教科書に採用されたのか

公開日: : 最終更新日:2023/05/29 伝統・伝承(嘘も含めて), 出版・講義資料

アマゾン書評

源氏物語といえば、枕草子と並んで国語教科書に必ず登場する古典である。しかし、この古典が初めて教科書に採用されたのは意外に遅く、1938年のサクラ読本(六年生)において口語訳が掲載されたのが初めてであるという。本書は、源氏物語が教科書に採用された際の様々な言説をまとめている一冊である。
本書では、宮廷恋愛を描いた源氏物語を道徳的に問題のない「児童文学」に改変して教科書に掲載し、一方で源氏物語を世界的文学と称揚しつつ、他方では道徳的観点から原典にあたらせないようにするという、教科書作成側の苦心が明らかにされている。また、それに対する学者の批判も紹介するなど、賛否を含めた源氏物語の教科書掲載が呼んだ反響も伺える点が面白い。
「なぜ戦争に向かうこの時期に、退廃的とも言える源氏物語が教科書に採用されたのか」という疑問を胸に読み進めれば、源氏愛好家にも楽しめる

関連記事

no image

虚数 四元数

https://youtu.be/ctj0GWhsykE

記事を読む

no image

「第3章 流入する他所者と飯盛女」武林弘恵著『旅と交流に見る近世社会』清文堂

旅と交流にみる近世社会 高橋陽一 編著    

記事を読む

『日本車敗北』村沢義久著  アマゾンの手厳しい書評

車の将来の議論の前提に、地球温暖化への見解 ガソリン車 電気自動車 エンジンではな

記事を読む

no image

Quoraに見る観光資源 タモリさんは何がすごくて芸能界で大御所扱いされているのですか?

回答 · 日本 · 関心がある可能性があるトピックタモ

記事を読む

no image

政治制度から考える国会のあるべき姿 大山礼子 公研2019年1月号

必要なのは与党のチェック機能 どこの国でも野党に政策決定をひっくり返す力はない 民主主義は多数決だ

記事を読む

no image

書評 AIの言語理解について考える」川添愛 学士会報940号P.42

分類がわかりやすい 1 今のAIは人間の言葉を理解している。  理解

記事を読む

no image

伝統は後から作られる例 関西は阪神フアンという伝統

これも学士會会報の記事、何時も面白い話をしてくれる井上章一氏の「ゆがめられた関西像」 戦後しば

記事を読む

no image

『「日本の伝統」の正体』

現在、「伝統」と呼ばれている習慣の多くが明治時代以降に定着したと聞いたら驚く人も多いかもしれない

記事を読む

no image

筒井清忠『戦前のポピュリズム』中公新書

p.108 田中内閣の倒壊とは、天皇・宮中・貴族院と新聞世論が合体した力が政党内閣を倒した。しかし、

記事を読む

no image

観光資源の評価に係る例 米国の有名美術館に偏り、収蔵作品は「白人男性」に集中

https://www.technologyreview.jp/s/117648/more-th

記事を読む

PAGE TOP ↑