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『キクとイサム』から昔を思い出す

1959年の映画。小学校の時、学校の映画鑑賞で見た記憶がある。今なら右翼から偏向教育だといわれる可能性もあるかもしれないが、「にあんちゃん」なども懐かしい。

会津磐梯山の山麓に暮らす黒人混血児の物語。街に出てきたとき、人々がキクが日本語をしゃべるのに驚いているシーンがある。キクが日本語をしゃべるのは当たり前だが、しゃべっている町の人の日本語が会津弁で面白い。大人の役者は方言が上手だったのかもしれないが、会津では日常語だったのだろう。むしろキクの日本語の方が標準語。子役の俳優は荒川区の小学校の生徒だったから当然かもしれない。基本語が標準語だ。今なら会津の子供はみな標準語だろう。北林谷栄のする祖母役の設定が68歳。今なら祖母役の設定年齢ではないだろう。

イサムが子犬を抱えて人工衛星に乗せている真似をするシーンがある。ソ連が人工衛星に成功した時代であるが、ようやく民間人も宇宙を旅行できる可能性が出てきたから、時間がかかるものであろう。それにしても出てくる女性の多くが着物を着ており、洋服は少ない。

生活レベルを観察すると、今の途上国の都会の方がはるかに上。テレビも自動車もスマホもある。スラムであってもテレビがある。結局貧困とは相対的なものなのだろう。よる郵便が来て、祖母が字が読めないという。鳥目にかかっている設定か。子供の頃は野菜を食べないと鳥目になるよと言われたものだ。キクに酒を飲ませるシーンがあるが、小学生に酒を飲ませるシーンは今ならドラマでも駄目だろう。キクがオートバイに乗ってバスを追いかけるシーンも今なら無理だろう。当時は免許が要らなかったのであろう。

祖母が医者に掛かり、350円請求され驚いて逃げ出すシーンがある。保険制度がまだ施行されていない時代。そういえば私の小学校の時代は健康保険がなかった記憶がある。いつ頃か忘れたが保険証を持っていくようになった。

農家の軒先のシーンも懐かしい。お盆に墓参りに行った本家の軒先も似たようなものであった。村祭りのシーンは、軽業である。高い棒に張ったロープから、命綱なしで滑り降りるが、今でも残っているなら大イベントだが危険でするものがいないだろう。

「日本では次男に生まれたばかりに一生、回りだべ」「理屈では、工場に言っている人には理屈にはかなわねーべ」「白と黒の差別は向こうでも激しいべ」「ポツダム宣言で先祖とか子孫とか古いだべ」「ポツダム宣言ではなく新憲法だべ」

托鉢する尼さんや祈祷師が出てくるシーンがある。自宅に招いて占い。医者替わりの機能があったのだろうが、さすがに祈祷師の記憶は私にはない。でもモンゴルのシャーマン調査は懐かしい。ブログのどこかに動画をのせたはず。

四反畑の百姓をするというシーンで終わり。それにしても当代の名俳優が出演していたのには驚いた。

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