*

バンクーバー予備知識

 

フェンタミル

カナダへやってきました。バンクーバー。
街中にそびえるA &Wなどアメリカンな光景を見かけると、沖縄に帰ったような心地になり、まるで帰郷です。バンクーバーの中心地は極めて治安がよく、ショッピングセンター、スーパーマーケット、カフェ、快適な施設がひととおり揃っており、生活に関して困ることはほぼありません。もちろん日本の4,5倍する物価に目を瞑れば、ですが。今後の作品・活動のために、どうしてもこの目で見ておきたかった光景がある。強い光の裏には深い闇が広がり、カナダもまた、オシャレな中心街から外れた通りに、社会から忘れられた人たちの世界がある。自分が足を踏み入れた先は、当然どのガイドブックでも「最も治安が悪いので行かないほうがいい」と紹介されている。あたり一帯、元在住者から見ても危険性が高いので物見遊山で近づくと安全の保証はない。視点をEast Hastings Streetへ戻しましょう。繁華街を抜けて10分ほど。この付近にある警察署を境に、治安は一変する。
このようにきちんと境目があることからも、彼ら薬物中毒者ができるだけ一般社会に悪影響を与えたくない、目立ちたいわけでもないことがわかる。この手前のガスタウンは気楽に大麻の匂いを嗅ぎながら踊り狂う、ちょうど中間の治安をしている街で、「治安のいい中心街→ダンスやアルコールを楽しむ繁華街→薬物中毒者たちが横たわるダウンタウン」と、綺麗に棲み分けがなされていることは興味深い。中間にあたるガスタウンもまた見応えあるスポットですが、今回は主題がブレるので割愛。街の人たちは、だいたい腰がぐいっと曲がってゾンビのような姿に。
俗に言うフェンタニルゾンビだ。あまりに速攻で脳の機能を奪うので、こうして路上で前屈みになって満足に歩くことすら困難に。身体をかけめぐる薬物が一時的に痛みを和らげるが、効果が切れると強烈な離脱症状に襲われ、再びフェンタニルを注入して誤魔化し、腰が曲がっていく。
現代医学がたどり着いた悪魔の薬を流通させることで治安を傾かせる、まるで現代のアヘン戦争の一端がこの場所で起きている。僕は、あんな妙なゲームを作ってしまった原作者として、一時的な快楽で醜い現実を忘れようとする気持ちが痛いほどわかる者として、この路を間近で見ておきたかった。街中を歩き回っていると、強烈な副流煙だけでクラクラと嫌な汗が噴き出る。頭が痛い。
調べると、フェンタニルは気化するとあまり効果がない(そもそも錠剤)らしいが、どのみち覚醒剤、マリファナ、コカイン、あらゆるドラッグが蔓延しており、さらにはどんな場所でも必ず煙に包まれているため、歩いているとどうしても肺に溜まっていく。僕なんかは病気で鼻呼吸ができずに口を開いているため、すべてのドラッグの煙を自動的に吸い込む最悪のカービィ状態である。もはや、どの薬物の影響でくらくらしているのかすらわからない。
が、ある意味では功を奏した。
よろよろと一人、怪しい夜道を歩き回る東洋人。
僕もまた傍目から見てまともには思えない。こうなると街の人たちは受け入れの体制をとってくれる。まあ、「ドラッグ売ろうか?」と売人気質の者も少なくないけれど。それだけではなく、彼らは上記写真のように溜まって吸引をする。だいたいグループの一人二人、耐えきれずに倒れ込んでしまうが、それでも周囲に誰かがいるので死にはしないでしょう。後述するけれども、瀕死の患者のために応急処置が行われる施設もある。
要するに、薬物中毒者同士では細かいこと抜きに助け合って生きているのですね。
みんなダメになっていいじゃない。どこにだって寝転がって許される空気は、むしろ何より「本来の人間の在り方」を感じて安心します。ヒッピー気質極まれり。好きなんですね、人間が。

バンクーバーが薬物中毒患者が多くなった原因は何でしょうか

バンクーバーの薬物中毒問題、特にオーバードーズ(過剰摂取)による死亡危機は、非常に複雑で複数の要因が絡み合って深刻化しました。単なる個人的な問題ではなく、公衆衛生、社会経済、そして薬物供給の構造が結びついた危機と見なされています。

主な原因としては、以下の3つの側面が挙げられます。


 

1. 供給面の問題:超強力な合成麻薬「フェンタニル」の蔓延

 

  • フェンタニルの出現と混入: この危機の最大の直接的な引き金は、強力な鎮痛作用を持つ合成麻薬フェンタニル(Fentanyl) の違法薬物市場への流入と蔓延です。フェンタニルはモルヒネの80〜100倍もの鎮痛作用があり、極めて少量の摂取でも死に至る毒性を持っています。
  • 毒性の高いサプライ: 違法薬物取引において、ヘロインやコカインなどの他の薬物にフェンタニルが秘密裏に混ぜられることが常態化しました。このため、使用者自身がその薬物の毒性を予測できず、過剰摂取死(オーバードーズ)が激増しました。

 

2. 社会経済的な問題:貧困と住宅価格の高騰

 

  • 住宅問題とホームレスの増加: バンクーバーは世界でも有数の不動産価格が高騰した都市です。その結果、低所得者向けの安価な住宅(特に老朽化した単身者向け安宿)が減少し、多くの人が住居を失い、ホームレス化しました。
  • 「最後の砦」の喪失: 安全で安定した住居がないことは、治療や社会復帰を極めて困難にし、路上生活者が薬物に頼る負の連鎖を加速させています。
  • 薬物依存の背景: 薬物使用者の多くは、幼少期に虐待、貧困、家庭崩壊といったトラウマを経験しているケースが多く、社会から孤立しやすい状況が依存症を深める土壌となっています。

 

3. 歴史的・地理的な問題:薬物供給ルートと過去の政策

 

  • 地理的要因と密輸ルート: バンクーバー港はアジアと北米を結ぶ主要な貿易港の一つであり、麻薬の主要な密輸ルートとなっています。特に、フェンタニルの前駆体(製造原料)や完成品がアジア(主に中国)からバンクーバー経由で北米全体に流入する「バンクーバー・モデル」と呼ばれる取引ルートが存在します。
  • オピオイド危機(アメリカとの共通要因): 元々は、慢性疼痛治療のために医師によって合法的に処方されたオピオイド系鎮痛剤の過剰処方と乱用が、依存症患者を増やし、その後の非合法薬物(フェンタニルなど)への移行を招いたという側面もあります(アメリカのオピオイド危機と共通する背景)。

これらの要因が複合的に作用した結果、バンクーバーはブリティッシュコロンビア州(BC州)における薬物過剰摂取による死者の急増という、深刻な公衆衛生危機に直面しています。

はい、YouTubeなどで言及されているその経緯は、アメリカとカナダで発生した「オピオイド危機」の根本的な原因として、非常に広く認識されている事実です。

これは、バンクーバーで現在深刻化している薬物中毒問題の直接的な「発端」 となった構造的な問題です。

 

🚨 オピオイド危機の発端となった経緯

 

製薬会社がオピオイド系鎮痛剤の依存性リスクを過小評価し、不適切な宣伝活動を行ったという点は、多数の訴訟を通じて明らかにされています。

段階 内容 製薬会社の関与(事実として報じられている点)
発端 オピオイド系鎮痛剤の過剰宣伝 米国の製薬会社パーデュー・ファーマ(Purdue Pharma) が製造した鎮痛剤「オキシコンティン(OxyContin)」が中心となりました。
不正行為 依存性リスクの過小評価と虚偽の宣伝 パーデュー社は、オキシコンティンの依存性リスクが低いと偽って宣伝し、医師に対して積極的に処方を促しました。これにより、手術後の痛みだけでなく、慢性的な軽い痛みにも処方されるようになり、オピオイドの処方量が爆発的に増加しました。
データの不正操作 臨床データや医療システムの操作 報道によると、製薬会社が臨床意思決定支援システムの警告文の操作に報酬を支払ったり、鎮痛剤の副作用・乱用リスクに関する情報を不適切に説明・宣伝したりした事例が訴訟や捜査によって明るみに出ています。
政府の認可と規制 当初は規制が不十分 FDA(米食品医薬品局)は当初、依存性に関する情報が不適切なまま市場に出回ることを許した経緯があり、後にその規制の甘さが批判されました。
結果 依存症患者の急増 医師による合法的な処方薬であったにもかかわらず、多くの人々がオピオイド系鎮痛剤に依存するようになりました。

 

💉 規制強化後の「非合法薬物への移行」

 

おっしゃる通り、これが現在のバンクーバーの危機と直結しています。

  1. 処方薬の規制強化: 依存症患者が激増し始めた後、政府と医療機関は処方ガイドラインを厳格化し、オピオイド系鎮痛剤の処方量と期間を大幅に削減しました。
  2. 非合法薬物への移行: 依存症に陥った人々は、合法的な処方薬を入手できなくなったため、より安価で入手しやすい違法薬物市場へと移行せざるを得なくなりました。
  3. フェンタニルの蔓延: その違法薬物市場で、ヘロインなどの薬物に超強力なフェンタニルが混入し、蔓延したことが、バンクーバーにおけるオーバードーズによる死者数の急増という、現在の危機を引き起こした最大の要因です。

このように、製薬会社による不適切な行為が、現在の公衆衛生危機という形で世界的な薬物問題の連鎖を引き起こしたという見解は、専門家やメディアによって広く共有されています。

アメリカでは、医療制度が原因で病院に行けない患者が、痛みを抑えるために薬物に手を出したと解説されています、カナダの医療制度も同じだと考えていいのでしょうか

「アメリカの医療制度が原因で病院に行けない患者が薬物に手を出した」という側面については、カナダの状況は異なりますが、別の形の医療アクセスの問題が存在します。

カナダとアメリカの医療制度の違いに基づき、薬物依存症の背景を解説します。


 

🏥 カナダとアメリカの医療制度の根本的な違い

 

 

1. アメリカの場合:経済的な障壁

 

アメリカでは、多くの場合、国民皆保険制度がなく、医療費が高額になりがちです。

  • 経済的な障壁: 無保険者や保険適用外の患者は、痛みや病気を抱えていても治療費が高すぎて病院に行けず、安価で簡単に入手できる非合法薬物や、過去の処方薬の闇ルートに手を出さざるを得ないケースが薬物依存の引き金の一つとなり得ます。
  • オピオイド危機の発端: アメリカでオピオイド危機が深刻化した当初は、医師が過剰にオピオイド系鎮痛剤を処方しすぎたことが最大の原因であり、それに依存した患者が規制後に非合法薬物へ移行しました。

 

2. カナダの場合:待ち時間と専門医療への障壁

 

カナダには、基礎的な病院・診療所サービスをカバーする国民皆保険制度(ユニバーサル・ヘルスケア) があります。そのため、経済的な理由で「病院に行けない」 という問題は、アメリカほど大きくはありません。

しかし、別の種類の医療アクセスの問題が、薬物依存症の背景となり得ます。

  • 長い待ち時間: カナダの医療制度では、専門医の診察や非緊急の手術において待ち時間が長くなる傾向があります。慢性の痛みを抱える患者が、専門的な治療や代替療法をすぐに受けられず、痛みを和らげるために処方されたオピオイド系鎮痛剤に頼りすぎる状態に陥ることがあります。
  • 依存症治療の不足: 薬物依存症は複雑な治療が必要ですが、専門的な依存症治療プログラムやメンタルヘルスサポートの施設や人材が十分ではないため、適切な治療を受けられずに路上生活や薬物使用を続けるケースが多く見られます。

 

💊 カナダのオピオイド危機における医療制度の役割

 

カナダでも、アメリカと同様に、製薬会社の誤った宣伝による「オピオイド系鎮痛剤の過剰処方」 が薬物依存症の発生源の一つとなりました。

つまり、カナダの危機は、「医療費が高くて治療を受けられない」 というよりも、「合法的に処方された強力な鎮痛剤が依存性を生み出した」 という共通の根幹を持っています。

その後、処方薬の規制が強化されたことで、依存症になった人々が毒性の高い非合法のフェンタニルに移行し、現在のオーバードーズ危機を引き起こしました。

したがって、「医療制度が原因で病院に行けない」という点ではアメリカと異なりますが、「医療制度(処方文化) に端を発した薬物依存症が危機を引き起こした」という点では共通しています。

ご認識の通り、日本の医療制度は薬物依存症の「発端」となるオピオイドの過剰処方という問題を招きにくく、その点で相対的に幸運(幸せ) であると言えます。

トランプ政権が中国にフェンタニルの輸出規制を要請した行動は、「薬物中毒危機の解決」に対するアプローチの違いを明確に示しています。これは、問題を**「需要側」** と 「供給側」 のどちらから解決しようとするかの戦略的な違いです。


 

🎯 トランプ政権の戦略:供給側(サプライ)の遮断

 

トランプ政権が中国に輸出規制を要請したのは、危機を解決するための**「供給側を叩く」** という戦略に基づいています。

  • 目的: 違法薬物の元となるフェンタニルの前駆体(原料) や、完成したフェンタニルの主要な供給源である中国からの流れを止めること。
  • 考え方: 違法薬物が市場に流れ込まなければ、オーバードーズ死は減少し、危機は収束に向かう、という短期的な効果を期待したアプローチです。
  • 結果: 2019年、中国は要請に応じ、フェンタニルを含むすべての関連物質を規制薬物リストに追加しました。これは一時的に供給を抑制する効果を上げましたが、その後、密売組織は規制をかいくぐり、前駆体を別の国やルートを経由させるなどして、供給を完全に止めることはできていません。

 

🏥 医療制度の改善:需要側(ディマンド)の抜本的解決

 

一方で、医療制度の改善は、薬物依存症の**「需要側を減らす」** という、より抜本的な(根本的な)解決策に繋がります。

トランプ政権もオピオイド危機に対処するため、いくつかの公衆衛生的な対策は行いましたが、「中国への規制要請」という外交的な手段を取ったのは、以下の理由から、医療制度の根本的な改善を最優先の解決策とは見なさなかったと言えます。

 

1. 政治的な難しさ

 

  • 医療制度改革の困難さ: アメリカの医療制度は複雑な利権が絡み合い、制度全体の抜本的な改革は非常に高い政治的コストを伴います。特にトランプ政権は、医療保険制度の縮小や廃止を志向しており、普遍的な医療アクセスを改善する方向での根本解決には消極的でした。
  • 短期的な成果の必要性: 供給規制は、外交交渉を通じて比較的迅速に、そして政権の強硬な姿勢を示す形で実行でき、国民に「危機に断固として対処している」というイメージを与えることができます。

 

2. 問題の性質の変化

 

  • 緊急性の高さ: オピオイド危機は、規制強化後のフェンタニル流入によってオーバードーズ死という緊急事態に発展しました。合法的な処方薬の規制強化がされた後では、新たに依存症になる原因は減っていますが、既に依存症になった人々がフェンタニルで死ぬのを止めることが最優先の課題となりました。
  • 「既に発生した危機」への対応: 規制強化後に問題となったのは、「既に依存症になった人々の治療と、フェンタニルの排除」 です。医療制度を改善して「新たに依存症になる人を減らす」という対策は重要ですが、現在進行形のオーバードーズ死を防ぐという緊急性には、供給規制のほうがより直接的であると判断された可能性があります。

 

まとめ

 

トランプ政権のアプローチは、「供給を止めれば需要は満たされない」 という市場原理に基づき、即効性のある外交手段を優先しました。

しかし、多くの公衆衛生専門家は、薬物中毒問題の真の解決には、以下のような医療制度と公衆衛生の改善が不可欠であると指摘しています。

  • 依存症治療のアクセス改善:治療施設の拡充と費用負担の軽減。
  • 痛み治療の代替手段の提供:オピオイドに頼らない慢性疼痛治療の研究と普及。
  • ハーム・リダクション(Harm Reduction):薬物使用者を罰するのではなく、命を守るための対策(注射器交換プログラム、安全な使用施設など)の導入。

抜本的な解決には、供給規制(中国への要請)と需要抑制(医療・公衆衛生の改善)の両輪が必要である、というのが現在の一般的な見解です。

不動産

バンクーバーの不動産市場は現在、**「バブル崩壊」というよりは「過渡期」または「低調な状態」**にあるとされています。過去のような急激な価格崩壊は起きていませんが、市場は冷え込み、特に高額物件の販売が鈍化しています。 
主な現状は以下の通りです。
  • 市場の冷え込み: 2025年後半にかけて、メトロバンクーバーの住宅市場は低調な状態が続いています。
  • 高額物件の販売不振: 200万ドル(約2億円)を超えるような高額な戸建て物件などは買い手を失いつつあり、販売率が低迷しています。
  • 人口動態の変化: 2025年第2四半期にはBC州の人口が縮小に転じ、カナダ国内で唯一人口減少を記録した州となりました。これは不動産市場にも影響を与えています。
  • 金利の影響: 2022年以降の金利上昇により、住宅ローン金利が上昇したことが市場の減速の背景にあります。
  • 長期的な価格上昇: 過去20年間で見ると、バンクーバーの不動産価格は3倍以上に値上がりしており、基本的な需要は根強いため、専門家やCMHC(カナダ住宅抵当公庫)は急激な価格崩壊(バブル崩壊)の状態にはないとの判断を示しています。 
結論として、バンクーバー不動産市場は調整局面に入っており、価格上昇の勢いは止まっていますが、日本で経験したような本格的なバブル崩壊とは異なる状況にあると言えま

バンクーバー不動産バブルの象徴とされる建物は、なんでしょうか

バンクーバー不動産バブルの象徴として、いくつかのタイプの建物や現象が挙げられます。

特に言及されることが多いのは、以下の2つです。

  1. 超高級コンドミニアムタワー(ガラス張りの高層マンション)
    • 特に、Vancouver House (バンクーバー・ハウス) のような、ユニークなデザインで高額な住宅タワーが、高騰する不動産市場と外国からの投資の流入を象徴していると報じられることがあります。隈研吾氏が設計した「Alberni by Kengo Kuma」なども、新しい象徴的な高級タワーとして注目されています。
    • これらのタワーは、バンクーバーのスカイラインを再定義する一方で、空っぽのコンドミニアム」(Empty Condos や、地元住民には手の届かない価格設定の問題を象徴しているとも見られています。
  2. バンクーバー・スペシャル (Vancouver Special)
    • これは1960年代から1980年代にかけて建てられた、シンプルな箱型の二階建て住宅のスタイルです。かつては移民や労働者階級のカナダ人が手が届く「夢の家」の象徴でしたが、現在ではその土地の価値が極端に高騰し、古い家が取り壊されてさらに高価な豪邸に建て替えられる現象が、住宅価格の異常な高騰と手頃な住宅の不足を象徴するものとして、皮肉的に語られています。

したがって、「象徴」として特定の一つの建物を挙げるというよりは、「超高級な新しいタワー」 や、「古い低価格住宅(バンクーバー・スペシャル)の土地が高騰する現象」 など、バブルがもたらした都市の変化そのものが象徴と見なされることが多いです。

11月下旬にバンクーバーを旅行します。その際に、旅人としてスマホ写真が簡単に取れるバブルの建物を教えてください

バンクーバー不動産バブルの象徴とされる建物の中で、旅行者として簡単に「スマホ映え」する写真が撮れるランドマークとして、特に現代の超高層タワーをおすすめします。

その中で最も写真の撮りがいがある、際立ったデザインの建物は以下の2つです。

 

1. バンクーバー・ハウス (Vancouver House)

 

この建物は、バンクーバーの急騰する高級不動産市場と、大胆な現代建築の象徴としてよく挙げられます。

  • 象徴とされる理由: デンマークの建築家ビャルケ・インゲルス(BIG)が設計した、上部が大きく膨らんだ独特のフォルムが特徴的です。グランビル橋の複雑な高架下に建つという難題を解決するために生まれ、その建設費用と販売価格の高さから、バブル期の高級化を象徴しています。
  • 写真撮影のポイント:
    • グランビル・ブリッジ(Granville Bridge) の橋脚付近や、フォールス・クリーク(False Creek)沿いから見ると、ねじれたようなユニークな構造が際立ちます。
    • 特に、グランビル・アイランド(Granville Island)方面から橋越しに見るアングルが有名で、建物の全体像をダイナミックに捉えられます。

 

2. アルバーニ by 隈研吾 (Alberni by Kengo Kuma)

 

日本を代表する建築家である隈研吾氏が北米で初めて手がけた超高層ビルです。

  • 象徴とされる理由: 日本の伝統的なデザイン要素を取り入れながらも、バンクーバーの中心地コール・ハーバー地区に立つ超高級レジデンスタワーであり、アジアからの資本流入と、富裕層向けのタワー建設ブームを象徴する一例とされています。
  • 写真撮影のポイント:
    • 建物の基部にある、木材を使った半密閉型の円形劇場(アンフィシアター) の部分がユニークで、ストリートレベルからの撮影に適しています。
    • 湾曲したファサードや、外観のパッチワークのようなテクスチャーが美しく、近代的なガラス張りのビルが並ぶ中でひときわ目を引くデザインです。

これらの建物は、ダウンタウンに位置しており、徒歩や公共交通機関で簡単にアクセスできます。

まず、それぞれの場所を地図で確認してみましょう。 バンクーバーへのご旅行、楽しみですね!11月下旬のバンクーバーは少し肌寒いかもしれませんが、写真を撮るには最適な象徴的な建物をご紹介します。

不動産バブルの「象徴」として特にフォトジェニックで、旅行者として簡単にアクセスできるのは、以下のモダンな超高層タワーです。

 

1. バンクーバー・ハウス (Vancouver House)

 

この建物は、バンクーバーのスカイラインにおいて最もユニークで印象的なランドマークの一つであり、不動産バブル期の高級コンドミニアム建設ラッシュを象徴しています。

項目 詳細
名前 Vancouver House (バンクーバー・ハウス)
場所 1480 Howe St, Vancouver, BC V6Z 0G5
特徴 デンマークの建築家ビャルケ・インゲルス(BIG)による設計。建物の下部が細く、上部が大きく膨らんでねじれているような、非常に斬新なデザインです。
写真映えのポイント グランビル橋 (Granville Bridge) の近くから見ると、建物の不思議なねじれ具合が際立ち、ダイナミックな構図で撮影できます。また、フォールス・クリーク沿いのボードウォークから、建物全体を収めるアングルも人気です。

 

2. アルバーニ by 隈研吾 (Alberni by Kengo Kuma)

 

日本を代表する建築家である隈研吾氏が北米で初めて手がけた、木材とガラスを多用した美しい超高級レジデンスタワーです。

項目 詳細
名前 Alberni by Kengo Kuma (アルバーニ・バイ・隈研吾)
場所 1568 Alberni St, Vancouver, BC V6G 0E3
特徴 湾曲したファサードと、建物の基部に設けられた木製のデザインが特徴。日本のデザイン感性とバンクーバーの都市構造を融合させた、彫刻のような建築です。
写真映えのポイント ストリートレベルに降りて、木製の半円形デザインのエリア(アンフィシアター)を背景に撮影すると、都会の中の和の雰囲気を捉えた写真が撮れます。また、コール・ハーバー地区のモダンな街並みの中で、その独特な曲線を強調した写真もおすすめです。

この2つの建物は、バンクーバーの「ガラスの街」のイメージを象徴する一方で、そのデザインの独自性と価格の高さから、不動産ブームの頂点を示す建築物として知られています。

それぞれの場所は以下の地図で確認できます。

 

地図情報

 

どちらの建物もダウンタウンエリアにあるため、効率よく回ることができます。美しいデザインをぜひスマホに収めてくださいね。

関連記事

Human Logistics の語感(東洋大学国際観光学科准教授徳江順一郎氏のと論議)

東洋大学国際観光学科准教授徳江順一郎氏から「人流がHuman Logisticsですか。 一応、マー

記事を読む

no image

観光とツーリズム①

「観光」という中国語由来の日本語と「ツーリズム」という西洋語(tourism)由来の日本語が、日本に

記事を読む

no image

動画で考える人流観光

Countries Earning the Most from International Tour

記事を読む

no image

ピアーズ・ブレンドン『トマス・クック物語』石井昭夫訳

p.117 観光tourismとは、よく知っているものの発見 旅行travelとはよく知られていな

記事を読む

no image

二月五日チームネクスト総会講演「総合生活移動産業の今後の展望」(45分)趣旨 人流・観光研究所長 寺前秀一

二月五日チームネクスト総会講演「総合生活移動産業の今後の展望」(45分)趣旨 人流・観光研究所長 

記事を読む

no image

リビア旅行について

Dear Teramae Shuichi, Thank you for your ema

記事を読む

no image

『レリギオ <宗教>の起源と変容』 三上真司著 横浜市立大学叢書06 春風社 を読んで 観光とTourismの関係を考える

三上真司氏の「レりギオ」の第一章第一節は「宗教」とreligionである。この組み合わせは「観光」と

記事を読む

シリア、リビア旅行前によむ『アラブが見たアラビアのロレンス』

日本人の一般的な英国のイメージは、映画「アラビアのロレンス」に代表されるポジティヴなものであ

記事を読む

no image

TTRA発表2015年12月5日  Future Direction of Tourism Policy Studies in Japan

Future Direction of Tourism Policy Studies in Japa

記事を読む

no image

用語「観光」誕生物語 朝日新聞記事データベース「聞蔵」に見る昭和のクールジャパン報道分析

2014年10月10日にジャパンナウ観光情報教会観光立国セミナーで行った講演の議事録です。HPには使

記事を読む

no image
バンクーバー予備知識

  フェンタミル カナダへやってきました。バンクーバー。

no image
AIにきく イルクーツク、ヤクーツク、ウラジオストックの旅

東京から、イルクーツク、ヤクーツク、ウラン・ウデ、

no image
新疆ウィグル自治区をネタにするYoutuber old medea もYoutubeも変わらない

旅系YoutubeRも右翼嫌中派YoutubeRも、ウィグルをネタに再

サハリン旅行

    稚内港とコルサコフ港を直接結ぶ

AIに聞く ロシア、アブハジア旅行

→もっと見る

PAGE TOP ↑