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動画で考える人流観光学講義(開志) 2023.12.11  観光情報

公開日: : 最終更新日:2023/12/17 動画で考える人流観光学

宿題 「新潟でのライドシェについて、自分の考えを800字程度でまとめる」

提出先 steramae@nifty.com 12月17日(日)24時まで

 

3-4 言語と意識

意識や心は言語が作り上げた抽象である。脳が言葉を聞いて理解するまで0.2~0.5秒くらいかかる。
シナプスが情報を受け渡すのにかかるのは千分の一秒かかる。ということは0.1秒単位の処理を完了するにはシナプスを百回ほども介せば脳の情報処理は完全に終了出来るということになる。

言語を持つ生物の唯一の武器は予測し計算することであるが、同時に死の認識も生み出した。そこで
何らかの社会的装置が必要になった。また予測し計算出来る生物は、自然現象であってもその原因となっているのは、誰かの目的に違いないと考えた。その結果言語はその数十万年に及ぶ生活を通じて神話を生み出した。言語、法、貨幣は人間が死すべき存在であるところから生じている。そして貨幣は性風俗を商品化し、罰金と慰謝料を加えることにより復讐を非合法化した。観光といわれる社会現象もその上に成立しているのである。

3-5 自動翻訳と深層学習(ディープ・ラーニング)

3-5-1 脳科学と人工知能

人の脳は、千数百億個の脳神経細胞が形も働きも違う種類ごとに集まり、六層の層構造を作っている。ニューロンをすべてつなげると百万キロメートルになる。この複雑なネットワークを電気信号が駆け巡り、高度な機能が生まれてくることまでは分かり始めた。

脳を構成する主役は神経細胞であり、電気信号を発して情報をやりとりする特殊な細胞である。脳全体では千数百億個にもなり、複雑な神経回路を形成している。神経細胞が種類ごとに集まって層を作ることによって、秩序だった神経回路が構築され、情報の伝達はより効率的になる。

その結果、認知、運動、感情、記憶、学習といった高度な情報処理を実現出来るのである。

Google社が約一千万のユーチューブの映像から「ネコの顔」が認識できたという実験で深層学習が有名になった。Google翻訳の性能が一段と向上したという評判も勝ち得えることができた。それまで人間が与えていた特徴量を機械が自動的に抽出出来るようになったことは画期的である。論理的な大革新があったというよりも、計算能力等種々の制限を克服して実用化させた技術的成果が評価されている。

この深層学習は、脳神経の作動メカニズムと類似していることから、AIとして話題を高めている。しかし大量のデータを必要とする機械と異なり、人間の赤ちゃんは少ない経験で言葉を習得しており、自律的な人工知能とするにはほど遠いものであり、ましてや「人知」を超えたものにはなりえない。

3-5-2 認知のメカニズム

単細胞動物は「感覚」と「運動」が一つの細胞の中で一連の反応として発生している。進化するにつ
れて体が多細胞で作られ、外界を感覚する部分と運動する部分が分離し、両者をつなぐ構造が必要となり神経系が始まった。中枢神経が生まれ上位中枢・が生まれた。基本的な脳の領域はどの脊椎動物でも共通と考えられている(『脳科学の教科書こころ編』)。

下等な動物ほど記憶が正確である。つまり融通がきかないということでもある。しかも一回覚えた記
憶はなかなか消えない。人間の脳では記憶は他に例がないほどあいまいだが、それこそが人間の臨機応変な適応力の源泉にもなっている。このあいまい性を確保するために脳はゆっくり学習する。学習をゆっくりすることで特徴を抽出する。複数のものを結びつけるには記憶の保留が必要である。

 

「認識」には膨大な計算量が必要だったが、今では可能となり、既に人間の認識能力を超えているか
ら、顔認証システムが実用化された。実用化は、認知から運動そして言語に向かう。言葉の意味を「理解して」、映像を「思い浮かべ」、また言葉に置き換える作業をするようになれば完成する。ディープ・ラーニングパターンの処理である。そのためGoogleは膨大な画像情報を収集しているのである。脳もコンピュータも、神経細胞や電子素子等ミクロ的世界まで下りてゆけば、そこには「分かる」も「意味」も消え失せてしまう。そういう状況の中で、どうして人は分かったり意味を感じたりするのか。その謎を解きたいと願うのが研究者である。観光学研究もそこに向かわなければ遅れた科学となってしまう。

3-5-3 脳への信号と意味論

聴覚障害者の人工内耳は、マイクで拾った音を電気信号に変え、その電気信号で蝸牛を刺激する。人
工内耳から聞こえてくる音は、ロボットが発している電子音と同じである。我慢してつけているとその音との一体感が生まれ、自然の音声に化け、一カ月後には会話が出来るようになる。

このことは聴覚に限らず視覚等についてもいえる。手話等が言語である由縁でもある。脳への信号と、視覚としての信号が同期しているのであり、いわば自分のもののような錯覚が生まれる。無意識の部分である。運動神経の上流だが、その源流をたどっていくと消えてしまう。その過程で時間概念も生み出された。

3-6 言語情報の記録手段としての文字の出現

人類は言語情報を記録するため文字を発明した。その文字情報は聴覚情報を視覚情報に置き換えたも
のであり、人間は文字のための特別の感覚器官は備えてはいない。従って、文字情報は言語(通常は音)に変換して記憶している。文字がなくても記憶・記録は可能である。稗田阿礼等恐るべき記憶力の人間が存在する。古代日本文化はもちろんのこと、アイヌ文化等文字を持たない民族であっても、想像以上に高度な社会文化を形成していた。その文字や言語が、人工知能により普遍的なものへの進化が可能とするならば、意味が理解出来る人工知能の開発が必須となる。

【興味深い仮説】 3000年前からの文字の発明が脳を小さくしている

【楽園実験 25】

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